研究課題/領域番号 |
04454430
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
原田 康夫 広島大学, 学長 (30033963)
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研究分担者 |
森 直樹 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30263677)
有重 秀三 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40232061)
藤井 守 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20253081)
宮脇 浩紀 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80253079)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 前庭 / カルシウム / ピロアンチモン酸カリウム / 硫酸ストレプトマイシン / サポニン灌流法 / 細胞骨格 / ファロイジン / フラ 2 / サポニン潅流法 / 耳石 / 内耳器官培養 / 内耳 / 非感覚細胞 / ストレプトマイシン / ライソゾーム / 小胞体 / ゴルジ装置 / 前庭非感覚細胞 / カルシウム動態 / 支持細胞 / 耳石形成 / Golgi装置 / 単離 / 暗細胞 |
研究概要 |
前庭平衡斑におけるカルシウム動態を検討し、以下の結論を得た。 耳石形成には支持細胞のカルシウムを含む分泌顆粒だけではなく、カイソゾームおよびゴルジ装置も深く関わっていることが明らかになった。さらに、硫酸ストレプトマイシンの耳石形成障害は、支持細胞内ライソゾーム酵素を抑制し、ライソゾームを介してのカルシウムの細胞外放出を阻害することによると推測された。また、X線マイクロアナライザーを用いた観察から、耳石の吸収が暗細胞領域で行なわれることが確実となり、硫酸ストレプトマイシンにより暗細胞の機能も障害されることが示唆された。 感覚細胞における興奮伝達の際のカルシウム動態の検討から、静止状態では細胞内カルシウム分布は特定の傾向を示さないが、脱分極時には細胞内に急速にカルシウムが流入することを画像処理により明視化することができた。内リンパ液の調節に関与している内リンパ嚢上皮細胞では、明細胞に受容体を介して作動するカルシウムチャンネルが存在することが判明した。 細胞の構造と深く関わっている細胞骨格の観察では、サポニン灌流法を用いることにより、従来の方法では明瞭にできなかった有毛細胞と支持細胞の細胞内線維の三次元的配列とそれによる細胞内小器官相互の連結状態をより詳細に観察することを可能とした。 単離前庭有毛細胞の運動性とファロイジンを用いたF-アクチンの局在変化の検討から、有毛細胞の運動性には形質膜を介したイオン輸送に連動した水の移動によるものとアクチン-ミオシン系の関与が強く示唆された。 今回の研究により、前庭平衡斑におけるカルシウムの動態に関して、数多くの有益の情報を提供することができたと考える。
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