研究課題/領域番号 |
04454436
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
野村 恭也 昭和大学, 医学部, 教授 (30009948)
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研究分担者 |
崎川 康彦 昭和大学, 医学部, 助手 (00205791)
小林 一女 昭和大学, 医学部, 講師 (20234841)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 外リンパ瘻 / コンピュータグラフィクス / 卵形嚢 / 動物実験 / 三半規管 / 前庭症状 / membrana limitans / trabecular mesh / 前庭虚脱症 / コンピュータグラフィックス / モデル動物 / floating labyrinth |
研究概要 |
外リンパ瘻のモデル動物をモルモットを用いて作った。その方法は人工外リンパを髄液腔に注入する方法(注入法)と蝸牛窓膜より外リンパを穿刺吸引する(吸引法)である。注入法では前庭窓あるいは蝸牛窓より、外リンパあるいは髄液が漏れるのを確認し、吸引法では基底回転鼓室階の外リンパを約4μ1吸引した。モデル動物は直後、あるいは3週〜2カ月後に深麻酔下に側頭骨を摘出、セロイジン連続切片として観察、また脱灰後膜迷路を摘出した実体顕微鏡下に観察した。前庭膜迷路の主病変は、その虚脱である。卵形嚢、三半規管について虚脱の状態を観察すると卵形嚢壁の一部が軽度に陥凹している場合から膨大部稜、耳石膜の上まで、虚脱した膜迷路が垂れてくる場合がある。この原因は注入法、吸引法ともに外リンパにかなり(400mm H_2O)の圧が加わって、前庭窓あるいは蝸牛窓が破綻した場合に生じた変化である。半規管の場合は膨大部の天井が陥凹し、櫛に接触する。この際クプラはそのままで、その上から壁が圧迫している場合と、クプラが消失し櫛が直接圧迫される場合がある。卵形嚢斑では陥凹が著しい時は、虚脱あるいは陥凹した卵形嚢壁が耳石膜に直接接することになる。程度が軽いと耳石膜のごく一部、重いと耳石膜全体が覆われる。この変化は常に卵形嚢斑のpars internaからはじまる。卵形嚢周囲にはtrabecular meshがあるが、これは消失している。虚脱の生ずる機序であるが、蝸牛の前庭膜が一部破綻し、そこから内リンパが流出し、前庭半規管の内リンパも流出、膜迷路は虚脱することが考えられる。この変化の好発部位はpars internaである。長期経過例でも耳石膜、感覚細胞、神経に変性消失はみられない。外リンパが漏出している間は、耳石膜を覆っている卵形嚢壁が動くため、その下の感覚細胞が刺激される。外リンパ瘻患者の長期にわたるめまいの原因はこのような内耳の変化によるものと結論した。
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