研究課題/領域番号 |
04454450
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡邉 継男 (渡邊 継男) 北海道大学, 歯学部, 教授 (10064362)
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研究分担者 |
井上 哲 北海道大学, 歯学部, 助手 (80184745)
柴田 健一郎 北海道大学, 歯学部, 助手 (50145265)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | Mycoplasma salivarium / 抗コレステロール抗体 / MHCクラスII抗原の発現 / IgG Fc結合性タンパク質 / IgG Fc結合活性 / 自己抗体 / Raji細胞 / マイコプラズマ / 細胞膜タンパク質 / IgG Fc レセプター / IgG:Fc結合活性 / MHC class II抗原 / Mycoplasma orale / コレステロール / ヤルジオライピン / 膜タンパク質 / IgG Fc |
研究概要 |
本研究で以下の事柄が明らかにされた。 1.口腔マイコプラズマの中で最優勢なマイコプラズマはM.salivariumである。 唾液、歯肉粘膜細胞、頬粘膜細胞からのマイコプラズマの分解率は、それぞれ、95%、67%そして71%で、それぞれの検体から分離した452、189そして269株のうちM.salivariumとM.oraleがしめる比率は、それぞれ、4:1、3:1そして4:1であった。 2.口腔感染症において、M.salivariumに対するIgG抗体価とコレステロールに対するIgG抗体価とが正の有意な相関を示す症例がある。 72%(82/114)の患者血清からM.salivariumに対する抗体が、そして36%(18/50)の患者血清からコレステロールに対する抗体が検出された。両抗原に対する抗体が検出された18の症例では、両抗原に対する抗体価の間に有意な正の相関(r=4256、p<0.05)が認められた。 3.M.salivariumはMHC class II抗原の発現を高める。 Raji細胞をM.Salivarium細胞で刺激すると、HLA-DR抗原の発現が誘発され、monocyteの共存によって増強された。 4.M.salivarium細胞はヒトのみならず多種の動物由来のIgGとFc部位を介して結合する。 5.M.salivarium細胞表層の分子量88、90ならびに150kDaのタンパク質がIgG Fc部位との結合にかかわっている。 M.salivarium細胞をpronaseで処理するとIgG Fc部位との結合活性が失われ、その細胞のタンパク質をSDS-PAGEで分画し、patternを比較すると、分子量が88、90ならびに150 kDaのタンパク質が消失していた。 6.IgG Fc部位と結合するM.salivarium細胞表層の主要タンパク質は分子量が90 kDaのタンパク質(90kp)である。 M.salivarium細胞タンパク質をSDS-PAGEで分画し、membraneに転写して、IgGのFc fragmentと反応させたところ、分子量が90 kDaに相当するバンドと最も強く結合した。 7.精製された90kpはIgGのFc部位と結合する。 M.salivariumの細胞膜をTriton X-100で可溶化し、90kpを精製した。90kpはIgGのFc部位と結合し、その活性はpH 6.0から7.0の間で安定であった。
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