研究課題/領域番号 |
04454460
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
北村 勝也 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50047784)
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研究分担者 |
岡村 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (00224056)
谷口 邦久 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (90105685)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 神経線維 / 辺縁性歯周炎 / 圧迫 / 舌癌 / VX_2癌 / 変性 / 再生 / 舌の部分切除 / 腫瘍 |
研究概要 |
口腔領域においては、炎症、腫瘍などの多くの疾患が生じる。これらの疾患の治療後に、神経分布が如何なる状態に回復するかは、関心が持たれる。今回は、動物実験により辺縁性歯周炎と舌癌モデルを作製して、組織の破壊にともなう神経分布の消長、および治療後の神経の動態について検索した。1.ラットを用い、臼歯の歯間乳頭部にガッタパーチャーポイントを挿入して圧迫により辺縁性歯周炎をおこさせた。歯間乳頭部は陥凹し上皮層膚が消失して、炎症性細胞浸潤や歯間水平線維の消失がみられ、根間中隔には吸収がおこり、高さが低下した。炎症巣内の神経線維は大部分が変性、消失するが、少量の健全な神経線維が残存していた。ガッタパーチャーポイントを除去すると、炎症は消退して、肉芽組織が増殖して歯間乳頭の形態が回復する。歯間水平線維、上皮層の再生がみられるが、上皮付着部は、根尖側に移動しており、槽間中隔も頂も低下したままである。歯間乳頭や歯根膜に神経線維の再生がみられるが、正常に比べると少ない。2.家兎の舌にVX_2癌を移植した。癌細胞の増殖にともない、舌組織に変性がおこった。腫瘍の前方部の筋線維の変形、萎縮、配列不整がおこり、一方神経線維には、腫瘍の辺縁部や前方部の線維に、膨化、念珠状変性、断裂などの所見がみられた。腫瘍の切除手術後、切除創の近接部や舌尖部の神経線維の変性、消失が強くなり、分布量が減少した。切除後長期になると、再生がおこり、分布量が増加するが、正常舌に比べると少なかった。以上の結果より、舌癌の増大による舌運動の障害や感覚麻痺などの臨床症状、および舌の部分切除後さらにその障害が増大するが、長期になると、神経線維の再生により、舌の運動機能や、知覚(味覚)がかなり回復されることが示唆された。
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