研究課題/領域番号 |
04454472
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
恵比須 繁之 徳島大学, 歯学部, 教授 (50116000)
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研究分担者 |
野杁 由一郎 徳島大学, 歯学部, 助手 (50218286)
尾崎 和美 徳島大学, 歯学部, 助手 (90214121)
中江 英明 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (30227730)
吉山 昌宏 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (10201071)
松尾 敬志 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30173800)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 歯周病関連細菌 / プラーク細菌 / ヒト歯周ポケット / 局在性 / 免疫組織学的検索 / 細菌レクチン / B細胞マイトジェン / 歯周ポケット内細菌 / 付着因子 / 免疫組織学 / 微細形態学 |
研究概要 |
ヒト歯周ポケットにおけるプラーク細菌、特に歯周病関連細菌の局在性を検討した。まず、各種の歯周炎との関わりが示唆されている歯周病関連細菌およびプラーク形成における役割が重要視されている細菌種の中から15菌種を選択し、ウサギを使用して、それぞれに対する特異抗体を作製した。そして、重度歯周炎患者より採取した抜去歯に付着したプラークを形態学的ならびに15菌種に対する特異抗体を用いた免疫組織学的技法により検索した。次いで、重度歯周炎罹患歯とその周囲の歯肉組織を一塊として採取することにより可及的に歯周ポケットを再現した試料について、上記15菌種の局在性を検索した。その結果、Porphyromonas gingivalisはポケット全域から検出され、小さな集団を形成し散在性に局在していた。Eikenella corrodensおよびFusobacterium nucleatumはポケット中央部から深部において小集団を形成し分布しており、E.corrodensが比較的歯根側に局在していたのに対し、F.nucleatumは主に非付着性プラーク領域で認められた。一方、Campylobacter rectusはポケット中央部から深部において密に集合した大きな集団を形成して、歯根側および上皮側の両者で認められた。Prevotella intermediaも大集団を形成して分布していたが、主にポケット中央部付近において上皮側で検出された。Treponema denticolaは主としてポケット中央部付近の非付着性プラーク領域でみられた。Actinomyces viscosusやStreptococcus sanguisは主としてポケット浅部の歯根に接近して認められた。このように、細菌種により歯周ポケット内での定着・増殖様式が異なることが、実際に、観察された。 E.corrodensの付着因子である細菌レクチンの菌体における局在性を検索した結果、細菌レクチンは菌体表層の莢膜様構造物あるいは細胞壁に存在することが分かった。そして、このE.corrodens由来の細菌レクチンがマウスのB細胞を活性化することを発見した。この結果は、E.corrodensレクチンが宿主細胞あるいは異種細菌への付着に関与するだけでなく、ポリクロナールB細胞アクチベーターとしてB細胞の増殖と分化を促進することにより、形質細胞の浸潤に富む歯周病変の形成に強く関与する可能性を示唆するものである。
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