研究課題/領域番号 |
04454499
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
作田 正義 大阪大学, 歯学部, 教授 (00028755)
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研究分担者 |
森山 知是 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
墨 哲郎 大阪大学, 歯学部, 助手 (40252697)
中澤 光博 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70217701)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 凍結療法 / マクロファージ / 抗腫瘍効果 / 免疫制御 / インターフェロン / 細胞性免疫 / サイトカイン |
研究概要 |
悪性腫瘍凍結療法によって誘導される免疫応答を調べるためのモデル実験として、凍結破壊したMeth A細胞(Cryo-MA)を接種した同系BALB/cマウスにみられる免疫応答をマクロファージ(Mφ)を中心に調べた。対照としてマイトマイシンCで処理して増殖能を失わせた生細胞(MMC-MA)を用い比較した。 Cryo-MAまたはMMC-MAを接種したマウスから14日目に脾細胞を採取し、Winn中和試験を行ったところMMC-MA群では約50%、Cryo-MA群では約20%の腫瘍増殖の抑制が認められた。脾細胞中のMφのcytostatic activityの経日的変化をみるとCryo-MA群ではその発現が遅延していた。また、各種サイトカインの産生能をみると、MMC-MA群のMφは腫瘍壊死因子(TNF)の産生能が高いのに対し、Cryo-MA群ではインターフェロン、インターロイキン1およびプロスタグランディンE2の産生能が有意に高かった。Mφの貪食能をラテックスビーズを用いて調べたところ、MMC-MA群のMφは常に高い貪食能を示したが、Cryo-MA群では14日目に初めて貪食能の亢進が認められた。次に、Mφの抗原提示能をla抗原の陽性率により測定した。接種後14日間を通じてMMC-MA群がCryo-MA群を上回るla抗原陽性率を示した。すなわち抗原提示能ではMMC-MAの方がCryo-MAより優れており、CTLの誘導にはMMC-MAの方が有利であると考えられた。事実、MMC-MAはCTLを誘導できるのに対し、Cryo-MAはCTLをほとんど誘導できなかった。一方、NK活性についてはCryo-MA接種群に高活性が出現しており、またこれはMφによるIFNの産生能と相関することが判明した。 すなわち、Cryo-MAはMφにα-IFNの産生を促し、それがMφのcytostatic activityとNK活性の出現を促すが、それは逆にla抗原の発現を抑制し、結果としてCTLの出現を抑制する作用をもつことが示唆された。MMC-MAおよびCryo-MA接種マウスのCTLとNK活性は、マクロファージとその産生するcytokineにより制御されていることが示唆された。
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