研究課題/領域番号 |
04454504
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
長畠 駿一郎 香川医科大学, 医学部, 教授 (10033375)
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研究分担者 |
三宅 実 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20239370)
谷崎 明弘 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40227228)
鶴田 敬司 香川医科大学, 医学部, 助教授 (70180057)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | BMPとHAPの複合移植 / BMPの骨誘導能 / HAPの骨伝導能 / 異所性骨形成 |
研究概要 |
血管密着型培養器を用いて、牛骨由来のBMPとHAPの複合移植による異所性骨形成実験を行い以下の結果を得た。 〔実験方法〕1.牛骨からの骨形成蛋白(BMP)の抽出と精製 2.上記の方法で得られたBMPとHAPをシリコン製の血管密着型培養装置に混合充填し、成犬の総頚動脈に取付け、一定期間飼育後、試料を採取し、脱灰および非脱灰の薄切切片標本を作製し、病理組織学的に観察した。対照群としてHAP単独群とHAPと自家骨細片混合群を作製した。 〔結果および考察〕1.BMP-HAP複合群では、28日目にはHAP周囲より幼弱な骨の新生が観察された。経時的に新生骨の形成量は若干増加傾向は示したが、移植早期からリンパ球の強い浸潤が長期観察された。また培養装置内に組織の侵入が対照群と比べてやや遅れる傾向が認められた。 2.HAP単独群では、150日の観察期間例において、HAP周囲より線維性骨の形成が認められた。この所見からHAPが骨伝導能だけでなく、骨誘導能も持つ可能性も示唆された。 3.HAP+自家骨細片移植群では、28日目より移植骨の周囲から骨の新生が観察され、さらにHAP周囲に添って骨が形成されるようになった。60日目には、骨髄組織も観察された。 4.本実験に用いた血管密着型培養装置は、異所性の骨誘導実験に有用な方法であり、骨の形成にも優れた環境であることが確認された。この環境下ではBMPおよび自家骨細片による骨誘導は、軟骨内骨化ではなく直接に線維性の骨化形式をとることが明らかとなった。今後BMPが作用する環境や担体についてさらに検討が必要であり、誘導される宿主側の細胞の分化や骨形成部位に出現する未分化間葉系細胞の由来を明らかにし、またBMPと複合化して骨欠損部に効果的に三次元的骨補填を可能とする担体の開発が重要な課題であると考えられた。
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