研究課題/領域番号 |
04454509
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小田島 哲世 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00177239)
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研究分担者 |
横井 敏一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30230634)
平塚 博義 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50165180)
片岡 親男 札幌医科大学, 医学部, 助手
平田 章二 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50218781)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 口腔癌 / 悪性度 / 腫瘍マーカー / 遺伝子 / p53 / nm23 / E-カドヘリン / 突然変異 / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 癌転移抑制遺伝子 / P-53 / NM23 / NDP Kinase / 生物学的悪性度 / 予後 |
研究概要 |
癌抑制遺伝子p53と癌転移抑制遺伝子nm23を指標として、遺伝子産物の蛋白レベルにおける発現と口腔癌の臨床病理学的悪性度や予後との関係について検索した。nm23とp53の免疫活性はそれぞれ単独で検索すると、腫瘍の大きさ、臨床病期、腫瘍湿潤様式など、すべての因子との間に明らかな相関は認められなかつた。しかし、p53とnm23を組み合わせて検索すると、p53活性陰性でnm23活性高発現の症例はp53活性強陽性でnm23低発現の症例よりリンパ節転移陰性例に多く、予後も有意に良好であった。nm23はp53の発現に逆相関する関連予後因子になりうる可能性が示唆され、p53に関連したnm23発現の解析は口腔癌の悪性度評価に有効と考えられた。 口腔癌におけるp53遺伝子の突然変異を検索し、蛋白レベルにおけるp53の発現の結果と比較検討した。DNAは通常のパラフィン包埋組織から抽出し、PCRで増幅、核酸電気泳動後、銀染色にて異常バンドを検出した(non RI PCR-SSCP法)。口腔癌36例中、11例(30.5%)にp53遺伝子の突然変異を認め、全例、蛋白レベルにおいてもp53の発現が認められた。しかしp53突然変異がなくてもp53の免疫活性が発現している例が9例もあつた。本法は通常の実験室にてp53の突然変異を比較簡便に検出するには優れているが、p53の突然変異の検出向上にはさらに技術的な検討が必要である。 口腔癌における細胞接着因子E-カドヘリンの発現を免疫組織化学的に検索し、口腔癌の悪性度因子との関係を検討した。口腔癌34例中25例(73.5%)でE-カドヘリンの発現が減弱し、特に癌の発育先進部で著しかつた。またE-カドヘリン発現の減弱は腫瘍の分化度と相関しなかつたが、病期の進行やリンパ節転移と相関し、E-カドヘリンは口腔癌の悪性度を検索するためののマーカーに成りうることが示唆された。
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