研究課題/領域番号 |
04454530
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長尾 拓 東京大学, 薬学部, 教授 (30217971)
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研究分担者 |
赤羽 悟美 東京大学, 薬学部, 助手 (00184185)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1992年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | カルシウム拮抗薬 / カルシウムチャネル / カルシウム電流 / ジルチアゼム / ニフェジピン / ベラパミル / 高血圧 / 虚血 / 心筋 / パッチクランプ / 高血圧自然発症ラット / 大動脈 |
研究概要 |
Ca拮抗薬はベラパミル、ニフェジピン、ジルチアゼムを代表とするが、化学構造が著しく異なり、L型Caチャネルに独立した結合部位を持つ。各Ca拮抗薬群で臨床的な作用や組織選択性の違いが知られている。これらの違いは、病態環境と正常環境でのCa拮抗薬の作用が異なることによる可能性がある。この仮説のもとに、高血圧動物と虚血心筋のモデルを例にしてCa拮抗薬の作用の相違の解釈をめざした。 1)高血圧ラットでの血管平滑筋の受容体数の違いについて:自然発症高血圧ラット(SHR)の大動脈のCaチャネル数を[^3H](+)PN200-110結合実験により求め、正常血圧ラット(WKY)と比較したところ、高血圧発症前(4週令)および後(13週令)のいずれのSHRにおいても結合部位数および親和性に同週令のWKYに比較して有意な差はなかった。 2)Ca拮抗薬の作用がpH依存的か否かについて:虚血心筋は組織pHが低下することが知られている。Ca拮抗薬の電荷はpHに影響されるため、虚血心筋では選択的な結合部位への結合に影響するかも知れない。Whole cellパッチクランプ法によると、モルモット心筋単離細胞におけるジルチアゼムのCa電流作用にはpH依存性(6.8-9.0)は無かった。また、4級塩の作用もpHにより変化しなかった。4級塩は、リガンド結合実験からジルチアゼムと同一部位に結合し、パッチクランプ実験により細胞外から作用することを見出した。 3)脱分極によるCa拮抗薬の収縮力とCa電流抑制作用の増強について:心筋は虚血時に細胞外K濃度が増加する。モデル実験として、モルモット乳頭筋の外液K濃度を2.7mMから12.7mMに上昇させると、3種のCa拮抗薬の中でジルチアゼムが収縮抑制曲線を最も強く移動させた。この電位依存性の違いは、単離心筋におけるCa電流抑制の電位依存性の違いで説明できた(パッチクランプ法)。
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