研究課題/領域番号 |
04454533
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
矢田 登 広島大学, 医学部, 教授 (70028835)
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研究分担者 |
村上 照夫 広島大学, 医学部, 助教授 (20136055)
東 豊 広島大学, 医学部, 助教授 (90127697)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1994年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 組織分布 / キニジン / 弱塩基性薬物 / フオスファチジルセリン / ラット / マウス / 家兎 / モルモット / フォスファチジルセリン / 塩基性薬物 / ホスファチジルセリン含量 / 種差 / 相互作用 / アニマルスケールアップ / ヒトでの分布予測 |
研究概要 |
平成4年度においては、SD系雄性ラット及び雄性白色家兎でNO常状態血中濃度におけるキニジンの組織中濃度を測定し、組織/血漿濃度比(Kp値)を求めた。SD系ラットにおける値は、以前Wistar系ラットで得られた値とほぼ同値を示し、ラットではKp値に系統間の差がないことを認めた。また、この各組織におけるKp値と、以前Wistar系雄性ラットで求めた組織中フォスファチジルセリン(phS)濃度との間には正の相関(r=0.954)が得られ、キニジンのSD系ラットにおける組織分布の相異は、組織中phS濃度によって規定されることを確認した。また、家兎におけるKp値はSD系ラットのそれと極めて類似した値を示した。 平成5年度においては、家兎各組織中phS濃度を測定したが、肺2.29(mg/g組織、以下同じ)、脾1.39、腎1.38、肝1.10、小腸0.80、心0.37、胃0.54、筋肉0.55、精巣2.9であった。これらの値はWistar系雄性ラットでの値と極めて近似し、少なくともラット、家兎間ではphS組織中濃度に種差を認めなかった。平成6年度においては、キニジンのモルモット、マウスにおける組織分布を検討した結果、ラット及び家兎の各組織Kp値とほぼ同一の値であることを認めた。さらに、病態のモデルとして用いた四塩化炭素肝障害ラットにおいては、キニジンの組織分布はコントロールラットに比較し有意に低下したが、これは塩基性薬物に高い親和性を有するα_1-酸性糖蛋白質の血漿中濃度が増加し、キニジンの血漿中非結合型薬物濃度を減少させたことに起因することを明かにした。 以上の研究より、少なくとも、マウス、ラット、モルモット、家兎では、キニジンの組織分布は同等で、かつ組織phSに依存することが明らかとなり、おそらくヒトでも大きな変化はないものと予想された。従って、ラットでの実験結果から、弱塩基性薬物のヒトでの組織分布が予測可能と考えられる結果を得た。
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