研究課題/領域番号 |
04454534
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
大石 幸子 北里大学, 薬学部, 教授 (70050416)
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研究分担者 |
宇都宮 郁 北里大学, 薬学部, 助手 (70168722)
八巻 幸二 北里大学, 薬学部, 助手 (70174597)
林 泉 北里大学, 薬学部, 講師 (90172999)
上野 晃憲 北里大学, 薬学部, 助教授 (00112657)
三田 征治 北里大学, 薬学部, 助手 (90200039)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | キニノゲン / キニノゲン欠損ラット / 点変異 / 分泌異常 / 高分子キニノゲン / 低分子キニノゲン / ブラジキニン / 一アミノ酸変異 / 尿キニン / B / N・KatholieK rat / カリクレイン・キニン系 / ブラウン・ノルウェイ・ラット / カラゲニン胸膜炎 / ワンポイントミューテーション / Brown Norway rat / 高血圧 / エンドトキシン / ブラジキニン・アンタゴニスト / 血管透過性亢進 |
研究概要 |
1.肝臓からのキニノゲンの分泌異常に関する研究:キニノゲン欠損ラットおよび正常ラットの肝臓細胞のプライマリ-カルチャーの実験において^<35>S-メチオニンの取込み後免疫沈降、SDS-PAGEによって解析した結果、両ラットともに高分子、底分子キニノゲンの生合成においては差はみられなかったが、明らかに欠損ラットの肝細胞では上清へのキニノゲンの分泌量が殆どみられず細胞内により多い量が認められた。また細胞内の局在を調べたところリソソーム分画に多いことが示された。これらの事実からB/N-Katholiek ratの肝臓ではキニノゲンは合成されるが、血中への分泌に異常があることがわかった。 2.遺伝的キニノゲン欠損ラットB/N-KatholiekのキニノゲンのcDNAクローニングとCOS細胞における発現の研究:キニノゲン欠損B/N-Katholiek ratおよび正常の同じストレーンのB/N-Kitasato ratの肝臓より、RNAをとりだし、既に報告された正常ラットの高分子キニノゲンcDNA配列を参考にプローブを作成してPCR法により、両ラットの高分子キニノゲンのcDNAを得た。両ラットのcDNA塩基配列の解析により、B/N-Katholiek ratの487番目の塩基のGからAへの変異がみいだされた。従ってこれから、高分子キニノゲンの163番目のアミノ酸においてアラニンからスレオニンへの点変異であることがわかった。そこでこの部位特異的変異を導入したプラスミドを構築しCOS-1細胞に導入し正常と変異キニノゲンの分泌を調べた。その結果A変異体を導入した細胞では高分子キニノゲンは分泌されず細胞内に多いのに対し、Gを含むプラスミドを導入した細胞では高分子キニノゲンは正常の場合同様培養上清中に分泌され、この一アミノ酸置換が分泌異常の原因であると推定された。 3.高分子キニノゲンおよび低分子キニノゲンの生体内での役割についての検討:カラゲニン胸膜炎の胸腔滲出液中のキニノゲンについてL鎖を認識する抗体を用いてウエスタンブロットを行った結果、高分子キニノゲンからキニンを遊離したキニノゲンが検出された。一方、ラットの尿中キニンはどのキニノゲン由来であるかを調べるために、キニノゲン欠損ラットを用いてキニノゲンをinfusionし、尿中にあらわれるキニン量を測定した。その結果、底分子キニノゲンをinfusionした場合が高分子キニノゲンの場合に比し、キニン量が有意に高値を示し、ラット尿キニンは血中の底分子キニノゲン由来であると推定された。
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