研究課題/領域番号 |
04454548
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
菰田 二一 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10049835)
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研究分担者 |
小山 岩雄 埼玉医科大学短期大学, 臨床検査科, 助教授 (30153688)
坂岸 良克 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90049768)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アルカリ性ホスファターゼ / GPI-アンカー / ペプチド-アンカー / 癌組織 / 見掛けのトランスアミダーゼ / 合成ペプチド / ミクロソーム / 分子量 / ペプチドアンカー / C末端変換酵素 / 細胞下分画 / ミクロソーム分画 / ペプチド合成 / 抗疎水性アミノ酸配列抗体 / ペプチダーゼ活性 |
研究概要 |
生体膜結合酵素であるアルカリ性ホスファターゼ(ALP)分子のC末端アミノ酸配列には特徴ある疎水性ペプチド構造があるが、この部位は、通常直ちに糖脂質様膜アンカー(GPI-アンカー)に変換され、ここが生体膜との結合に関与していると考えられている。 本研究では、先駆体ALPのC末端側にある疎水性ペプチドを合成し、これに対する抗体を作ったところ、この抗体は前駆体ALPとのみ反応し、GPI-アンカーを持つ成熟型ALPとは反応しなかった。またこの前駆体ALPは、正常組織には少なく、高分化型のヒト肺癌(ヒト胎盤ALPの前駆体型C末端ペプチドアンカー抗体と反応するもの)やMNUで発癌させたラット胃癌組織(ラット小腸前駆体ALPのC末端ペプチドアンカー抗体と反応するもの)に著しく増加していた。これに反し、成熟型のGPI-アンカーを持つALPは、こうした癌組織では減少していた。次に成熟型小腸ALPのC末端アミノ酸配列より前駆体ALPのC末端疎水性アミノ酸配列にまたがるペプチを合成し、これを基質として前駆体ALPより成熟型ALPに変換する酵素活性を、基質である合成ペプチドの切断活性として検討したところ、本酵素活性は、細胞下分画上、ミクロソーム画分に多く、細胞上清画分やミトコンドリア分画には少なかった。またこの酵素活性(見掛けのトランスアミダーゼ活性)の分子量は、ゲル濾過法でおよそ110キロダルトンと判定された。 以上より、癌組織での前駆体ALPの増加とその成熟過程は、他のGPI-アンカー糖タンパクの共通した構造や機能を知る上で良いモデルとなり得ると考えられる。
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