研究課題/領域番号 |
04454561
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河野 典夫 大阪大学, 医学部, 教授 (30093412)
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研究分担者 |
桑島 正道 大阪大学, 医学部, 講師 (00205262)
花房 俊昭 大阪大学, 医学部, 講師 (60164886)
難波 光義 大阪大学, 医学部, 助手 (00183533)
中島 弘 大阪大学, 医学部, 助手 (50252680)
嶺尾 郁夫 大阪大学, 医学部, 助手 (40243240)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | インスリン非依存型糖尿病 / 解糖系 / 糖新生系 / インスリン作用 / OLETFラット / ホスホフルクトキナーゼ / プロモーター / インスリン抵抗性 / OLETF / グルコキナーゼ / ピルビン酸キナーゼ / 糖尿病 / 遺伝子調節 / 遺伝子クローニング |
研究概要 |
解糖律速酵素ホスホフルクトキナーゼ(PFK)M,L,Pの3種のアイソザイムは、、共通の祖先遺伝子に由来する。ヒトPFK-M遺伝子には、GCボックスを有し、組織分布の広いタイプCmRNAを発現するプロモーターと、CAAT、TATAボックス、M-CATもチーフを有し、骨格筋、心筋に特異的なタイプA/BmRNAを発現するプロモーターが内在する。マウスにおいても類似の転写機構を証明した。クローニングで得たラットPFK-L遺伝子において、GCボックス、AP-1結合配列を認めたが、CAAT、TATAは認めなかった。L遺伝子転写機構は、Mの機構とは異なるが、やはり種を越えて保存されている。ヒト膵島腫瘍細胞にPFK-Mと-Pは弱いが、PFK-LのmRNAの強い発現を認め、膵からのインスリン分泌機構におけるPFK-Lの役割が示唆された。PFK-M欠損症の新たな2家系を分析し、世界における8種のうち3種の遺伝子変異を解明した。日本ではスプライシング異常、ミスセンス異常、フレームシフトなどPFK異常は多様である。インスリン抵抗性糖尿病のモデルであるOLETFラットの肝では、解糖系のGKとPKの酵素活性およびmRNA量は増加したが、PFKには変化がなかった。一方糖新生系のFBPaseとPEPCKのmRNAは減少せず、G6PaseとFBPaseの酵素活性はむしろ増加した。この現象は、糖新生系酵素に対してインスリン抵抗性(反インスリン作用)が発現した結果と推察されるが、成因として、細胞内シグナル伝達機構の異常ないし未知の生理活性物質の作用が示唆される。 糖尿病発症早期の膵内分泌病変を直接分析する方法として、既に開発した膵生検法を拡充し、成因の自己免疫機序の一端を解明した。糖尿病の多様な成因、病態の究明をひきつづき進めてゆきたい。
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