研究課題/領域番号 |
04454573
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高月 清 熊本大学, 医学部, 教授 (80026830)
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研究分担者 |
麻生 範雄 熊本大学, 医学部, 講師 (50175171)
松崎 博充 熊本大学, 医学部・付属病院, 講師 (30136725)
藤本 幸示 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (20190069)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 慢性造血器腫瘍 / 慢性リンパ性白血病 / 成人T細胞白血病 / アポトーシス / p53 / EBウイルス / 細胞周期 / 細胞増殖 / 細胞死 / インターロイキン2 / T細胞受容体 / 顆粒リンパ球白血病 / EBV / Fas抗原 / p53遺伝子 |
研究概要 |
慢性造血器腫瘍では長期間腫瘍細胞数が一定に保たれ、細胞増殖と細胞死が均衡を保っていると考えられる。本研究ではこの均衡がいかに保たれているかを探ることにより慢性造血器腫瘍の病態の理解と治療法の開発の糸口を見い出すことを目的とした。近年、腫瘍細胞の増殖に加え、細胞死とくに積極的な細胞死(アポトーシス)という現象が明らかにされつつあるが、本研究では無血清培養によりアポトーシスを無刺激下に観察しうるin vitro実験系を確立した。慢性リンパ性白血病(CLL)および成人T細胞白血病(ATL)細胞のアポトーシスは副腎皮質ホルモン、protein kinase A activator(PKA)により促進、インターロイキン2(IL2)で抑制された。これらの結果は慢性造血器腫瘍細胞の増殖のみならず、細胞死も種々の生体内因子により調節されていることを示す。 また、細胞周期のチェックポイントに働いてアポトーシスを調節しているp53遺伝子の変異をATLで高頻度に見い出した。その異常は急性型、急性転化型で高率であるのに対し、慢性型ではまれであることからATLの発症病型、病期の進展に深く関わっていることを示すとともに、慢性型におけるアポトーシスにp53が関与していることを示唆する。 さらに本研究ではATL以外の本邦慢性T細胞性白血病症例の一部にEBウイルスが関与していることも明らかにした。B細胞やNK細胞以外にT細胞においてもEBウイルスが発症に関わっていることを示すとともにその発症にはバ-キットリンパ腫と同様に細胞因子が関与していることを示唆するものである。 このように慢性造血器腫瘍においてはその細胞増殖のみならず細胞死(アポトーシス)が外的および生体内因子により調節されていることが明らかである。今後はアポトーシスの誘導などによる新しい治療の開発へ研究が進展することが期待される。
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