研究課題/領域番号 |
04454574
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
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研究分担者 |
新名主 宏一 鹿児島大学, 医学部・付属病院, 講師 (20183410)
米沢 傑 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (10175002)
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | トロンボモジュリン / 培養血管内皮細胞 / トロンビン受容体 / 血管平滑筋細胞 / 冠動脈 / 冠動脈血栓症 / 冠動脈血栓〓 / Thrombomodulin / endothelium / トロンビン / 腎系球体 / 膠原病 |
研究概要 |
本年度は、1)特にトロンビン受容体(TR)とTMの発現のダイナミズム、2)これらにおよぼす因子の検討、3)TRがトロンビンで活性化される際に遊離してくるペプチドの測定系の確立、4)TRからのシグナル伝達経路、5)TM/プロテインC、S系を評価する方法の確立、等について研究し、次のような結果を得た。 1)多くの場合に血管内皮細胞が刺激されると、TMはダウン、TRはアップレギュレーションされる。 2)そのような因子として変性LDLコレステロール、糖化蛋白がある。従ってこれらは単なる動脈硬化の危険因子としてのみでなく、血栓の危険因子ともなりうる。 3)TRがトロンビンで活性化される際に遊離してくるペプチド(thrombin receptor released peptide,TRRP)の高感度ELISA測定系の確立に成功した。TRRPは糖尿病患者血液中で増加していた。 4)TRからのシグナルはNFκBの活性化を伴う。 5)recombinant TMを血漿に添加し、プロトロンビナーゼ阻害率をみることで、凝固制御系を包括的に評価する方法を考案した。これにより、膠原病、心筋梗塞、血管炎症候群、脳梗塞患者の15-30%がTM/プロテインC、S系に異常かあることが判明した。 以上の結果、糖尿病、動脈硬化患者では生体内産物である変性LDLコレステロール、糖化蛋白がTMを減らし、TRを増やすことで向血栓的(prothrombotic)に働くことが示唆された。これは必然的にトロンビンの血管内での消去能をおとし、TRにシグナルが入ることを示唆している。TRからのシグナルは血管平滑筋増殖と血栓形成的に働くものと想定される。これらのTM/プロテインC、Sによる凝固制御系の異常は、TRRPの測定あるいはプロトロンビナーゼ阻害率である程度把握可能である。
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