研究課題/領域番号 |
04454587
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
跡見 順子 東京大学, 教養学部, 助教授 (90125972)
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研究分担者 |
八田 英雄 (八田 秀雄) 東京大学, 教養学部, 助手 (60208535)
石井 直方 東京大学, 教養学部, 助教授 (20151326)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | αB-クリスタリン / ストレスプロテイン / 筋線維組成 / 甲状腺ホルモン / 筋繊維組成 / ラット後肢懸垂法 / ストレッチ |
研究概要 |
骨格筋線維は、その収縮特性から遅筋線維(Type I:SO)と速筋線維(Type II:F)に分けられる。この収縮特性の違いは主にミオシンタンパク質のアイソフォームの違いによるものと考えられている。現在のところおとなの骨格筋では通常四つのアイソフォーム(Type I、Type IIA、Type IIB、Type IID)が発現している。このミオシンアイソフォームの発現は正常なおとなの筋では、神経支配により筋線維すなわち細胞ごとに調節されていると考えられている。我々は、骨格筋の萎縮の生化学的基礎を明かにする過程において、遅筋の萎縮に伴ってストレスタンパク質の一つであるαB-クリスタリンが減少することを明かにしてきた。ストレスタンパク質とは、細胞が高温や低酸素状態、カルシウムイオンの変動等のストレスにさらされると、その合成が急増する一群の蛋白質で、細胞の生存を守るために機能している。骨格筋におけるαB-クリスタリンの発現量は遅筋であるヒラメ筋で多く、速筋である長指伸筋(EDL)で少ない。このことはαB-クリスタリンを含むストレスタンパク質の発現が筋線維タイプの特性に深くかかわっていることを示唆する。そこで本研究では、αB-クリスタリンを通じてストレスタンパク質と筋線維組成の関係を明かにするために、ミオシンの各アイソフォームに対するモノクローナル抗体をイタリアのShiaffino博士より譲り受け、さらにαB-クリスタリンのC末ペプチド抗体をあらたに作成し、免疫組織学的方法を用いて詳細に研究を行なった。本研究ではラット骨格筋でのαB-クリスタリンの発現はType I>Type IIA>Type IID>Type IIBの順に多いことを明らかにした。さらに筋線維組成に影響を及ぼすことが明らかになっている後肢懸垂実験および甲状腺ホルモン投与実験を行い両者の関係を検討したところ、αB-クリスタリン発現の変化は筋線維タイプ依存的であった。このことからαB-クリスタリンの骨格筋における発現は筋線維組成を決定する要因の影響を強く受けていると考えられる。
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