研究課題/領域番号 |
04454590
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎森 康文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60160389)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | カルパイン / カルパスタチン / プロテアーゼ / カルシウム / シグナル伝達 / ショウジョウバエ / 細胞骨格 / 分子生物学 |
研究概要 |
カルパインは、細胞内カルシウム濃度上昇によって活性化するプロテアーゼであり、カルシウム細胞内シグナル伝達系に位置する酵素と考えられているが、生理学的機能には不明の点が多い。本研究では、まず、ショウジョウバエにおいてカルパインをコードする2種の遺伝子を見出した。 次に、空間的・時間的発現様式をノーザン分析およびin situハイブリダイゼーションによって検討した。その結果、共に、発生時期(胚期・幼虫期・蛹期・成虫期)を通じて発現しており、また、胚期において、および、成虫原基において、普遍的にそのmRNAが検出され、単離したショウジョウバエの2種のカルパインは、哺乳類における組織普遍的なカルパインに対応するものと考えられた。 次に、ショウジョウバエの系を用いて生体内でのカルパインの機能を明かにするため、その特異的抗体を作製し、初期胚における細胞内分布とその変化を明かにした。その結果、第一のカルパインは、発生ごく初期の多核期から細胞化する段階で、まず、極細胞の形成時にそれを裏打ちするように極在すること、次いで、細胞化の段階で核周期と共に存在様式が変化し、ある種のアクチン結合タンパク質と共に細胞骨格系と相互作用しながら存在し、最終的には、予定細胞膜領域に局在することが明らかになった。 カルパインは、その活性が内在性の阻害タンパク質であるカルパスタチンによって調節を受けている。したがって、その機能を探る上でカルパスタチンの構造と生化学的性質、および、その遺伝子発現の解析は、欠くことができない。その一歩として、まず、カルパインの特異的阻害タンパク質であるカルパスタチンのカルパインに対する相互作用様式とそれに必要な配列を明かにした。
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