研究課題/領域番号 |
04454600
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
|
研究機関 | 東京大学 (1993) 東京工業大学 (1992) |
研究代表者 |
堅田 利明 東京大学, 薬学部, 教授 (10088859)
|
研究分担者 |
仁科 博史 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60212122)
高橋 勝宣 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40183850)
星野 真一 東京大学, 薬学部, 助手 (40219168)
櫨木 修 東京大学, 薬学部, 助手 (80142751)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
キーワード | GTP結合タンパク質 / 百日咳毒素 / 細胞膜受容体 / ADPリボシル化 / 情報伝達 / 核内輸送 / コレラ毒素 |
研究概要 |
細胞膜受容体刺激の情報はαβγサブユニットからなるGTP結合蛋白質(G蛋白質)を介して細胞内へと伝達されるが、G蛋白質はコレラ毒素や百日咳毒素によりADP-リボシル化されその機能が修飾されるので、情報伝達機構を研究する上で有用なツールとして利用できる。本研究では、細菌毒素が触媒するADP-リボシル化反応を利用して以下の知見を得た。 1.ウシ大脳細胞膜画分には、百日咳毒素によってADPリボシル化されるαサブユニット(41〜39kDa)を含む3量体G蛋白量が少なくても5種類存在し、それら5種のαサブユニットは、特異抗体との反応性やアミノ酸の部分配列の解析から、α_<i-1>,α_<i-2>,α_<i-3>,α_<o-1>及びα_<o-2>のcDNAによってコードされる産物であると同定された。また、G蛋白質を構成するβ(36/35kDa)およびγ(7〜9kDa)サブユニットにも分子多様性があり、種々のG蛋白質間で同一ではないことが明らかにされた。2.βγサブユニットを固定化したアフィニティーカラムを用いて、種々の細胞の細胞質画分よりβγサブユニットと結合し得る蛋白質を検索した結果、分子量93,000の蛋白質の存在がいくつかの組織、細胞に共通して観察された。2.この93kDa蛋白質は、ヒートショック蛋白質の一つである90-kDa Heat shock protein(hsp90)と同定された。3.Hsp90は百日咳毒素によるG蛋白質のADPリボシル化を阻害することから、βγサブユニットと結合しその機能を阻害するG蛋白質の新しい制御因子であると考えられた。4.一方、百日咳毒素のADPリボシル化反応を利用して、G蛋白質が細胞膜だけではなく核内にも存在することが明らかにされた。単離細胞核を用いた蛋白質の輸送系を開発し、この核内百日咳毒素基質のG蛋白質が核内へ輸送系に関与する可能性が示唆された。
|