研究課題/領域番号 |
04454612
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 (1994) 大阪大学 (1992-1993) |
研究代表者 |
釣本 敏樹 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (30163885)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | DNAヘリカーゼ / DNA複製 / 二塩基反復配列 / 一本鎖DNA結合タンパク / DNAポリメラーゼ / 細胞核 / 複製タンパク質A / DUE配列 / 複製フォーク / 真核生物のDNA複製 / 複製開始点 / DNAポリメレース / 複製タンパク質 |
研究概要 |
複製に必要とされるDNAヘリカーゼの検索をヒト培養細胞より行なった。これまで真核生物から複数のDNAヘリカーゼが単離されているが、複製に要求されるものは明らかにされていない。そこで複製に要求される活性ということに視点を置いてDNAヘリカーゼ検索を行ない、以下の点が明らかになった。 1.DNAヘリカーゼを検索するために、この酵素活性依存的にDNA合成を開始するDNA配列をクローニングした。この配列には、二塩基反復配列があり、DNAをアンワインディングさせる機能を持っていた。 2.抗DNAポリメラーゼα抗体カラムに結合するタンパク質分画よりDNAヘリカーゼ活性(DNAヘリカーゼAA)を見いだした。この酵素は、見かけの分子量210kDa、3′->5′という反応の方向性を持ち、ヒト由来の一本鎖DNA結合タンパク質、RPA依存的であった。しかしこれ単独では、上記の反応で活性を示さなかった。 3.DNAヘリカーゼ基質を改良し、反応進行の連続性(processivity)の高いDNAヘリカーゼを検索した。この結果、細胞核に強く結合しているDNAヘリカーゼを見いだしDNAヘリカーゼn(nuclear)とした。DNAヘリカーゼnは、沈降係数9.2S、見かけ上の分子量190kDaを示した。この酵素を構成する110kDaのペプタイドにATPが結合し、反応の方向性は、3′->5′であった。DNAヘリカーゼnの活性はヒト由来のRPAに依存して活性を示し、RPAと特異的な相互作用により活性を持つと考えられる。既存のDNAヘリカーゼにはこれらの特性に対応するものがなく、DNAヘリカーゼnは新規のものと考えられる。特に複製タンパク質であるRPAに依存する点は、このDNAヘリカーゼが複製に関与することを強く示唆するものである。
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