研究課題/領域番号 |
04454621
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体物性学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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研究分担者 |
古野 忠秀 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (80254308)
鳥越 智香子 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (70237163)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 免疫応答 / 細胞内カルシウムイオン / 核シグナル / 共焦点レーザ顕微鏡 / T細胞 / B細胞 / 好塩基球 / 画像処理 / カルシウムイオン / 細胞内情報伝達 / サードメッセンジャー / 蛍光性分子ロータ |
研究概要 |
免疫系での細胞間相互作用、特異的認識、情報伝達とその応答機構を超顕微光学技術を駆使して、全く新たな視点から追究した。特に、免疫応答における核へのシグナル伝達機構の解明を行った。まず、1個の免疫細胞(T細胞、B細胞、好塩基球、肥満細胞)でのミリ秒単位で起こる生化学的現象を画像化するマルチモード共焦点レーザー顕微鏡システムを開発した。同時に、免疫細胞の情報伝達過程を自由にコントロールするためのマイクロマニュピュレーション技術を確立した。そして、免疫応答における、T細胞、B細胞、好塩基球、肥満細胞の、1)細胞内カルシウムイオンのイメージング、2)He-Cdレーザによる核のイメージング、3)蛍光性分子ロータによる細胞骨格蛋白質の解離会合過程のイメージング、4)CD63抗原に対する抗体を用いた脱顆粒過程のイメージング等を可能にした。その結果、(1)リンパ球や好塩基球の抗原刺激にともない、カルシウムイオンが細胞質だけでなく核にまで伝達される。(2)核内のカルシウムイオンは、核内の貯蔵部位から遊離するのでなく、細胞質から流入する。(3)細胞内カルシウムポンプの阻害剤であるthapsigarginの添加によっても核へのカルシウムシグナルが伝達する。(4)B細胞のカルシウムシグナルとプログラム細胞死(アポトーシス)との間に密接な相関関係がある。(5)上記B細胞のアポトーシスの際に、カルシウムシグナルが核にまで伝達する。(6)ヘルパーT細胞のアポトーシスの直前に、細胞質および核内のカルシウムイオンの急激な上昇が見られ、カルシウムイオンが核内の特定の核酸分解酵素の活性化を誘導していると推察された。これら研究はいずれも、免疫細胞の核シグナルに関する先駆的な研究成果であり、免疫応答機構の今後の研究に重要な寄与をなすものと考えられた。
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