研究分担者 |
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50210729)
小林 仁 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (80133099)
榎本 収志 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (90150010)
中西 弘 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助教授 (00044769)
中島 一久 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助教授 (80164177)
榎本 収志 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (80183755)
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研究概要 |
プラズマ航跡場加速は,2つ(以上)のバンチを用い,先行するバンチ(ドライブバンチ)が作るプラズマ波の航跡場のポテンシャルで,後続するバンチ(テストバンチ)を加速する方法である.東京大学工学部原子力工学実験施設は,独立な2つのライナックを持つ.そこで,ドライブバンチ用・テストバンチ用にそれぞれ専用の電子リニアックを用いて,プラズマ航跡場加速を実験した. 平成4年度には,エネルギーの異なる2台のライナックからのビームをプラズマチェンバー内で同一軸上を走らせるための,ビーム輸送系を製作した. 平成5年度には,プラズマ中にドライブバンチを通し,これが励起する航跡場でテストバンチが加速することを確かめた.とくにプラズマ密度がビーム内の電子密度よりも小さい領域で非線形効果により大きな加速勾配を得ることを発見した. 平成6年度には加速勾配をプラズマ密度の関数として測定した.また従来の理論ではドライブバンチのサイズはプラズマ中で一定としている.実際はプラズマの持つレンズ効果により,ドライブバンチが縮小し,ビーム内の電子密度が増加する.これは航跡場の増大をもたらす.この効果を研究するためにドライブバンチのサイズの変化をもプラズマ密度の関数として測定した.さらに過去3年の実験結果を報告書としてまとめた. 一連の実験で得られた加速勾配は最大1MeV/m程度であった.ドライブバンチをパルス列化し,パルス間隔をプラズマ周波数と共鳴させることにより,この加速勾配を増大できる可能性がある.平成7年度は作り上げた装置を用いこの方法を試みたい.
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