研究課題/領域番号 |
04506001
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研究種目 |
試験研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
福山 寿雄 愛媛大学, 農学部, 助教授 (90036351)
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研究分担者 |
野並 浩 愛媛大学, 農学部, 助教授 (00211467)
逸見 彰男 愛媛大学, 農学部, 助教授 (40093942)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
44,000千円 (直接経費: 44,000千円)
1994年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
1993年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1992年度: 23,900千円 (直接経費: 23,900千円)
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キーワード | 水耕養液 / 養液栽培 / 組織培養 / 培養培地 / ゼオライトイオン透過性 / 尻腐れ病 / 懸濁液耕法 / コロイド状培養液 / 養液栽培法 / 水耕栽培 / バッファー剤 / 植物水分計測 / 植物工場 / イオン透過性 / ゼオライト |
研究概要 |
養液栽培は、従来の土を使う栽培法に比べていろいろな点で利点が多いので、今後ますます発展していく有望な技法である。しかし、広く実用化するためには、まだ改良の余地も少なくない。本研究の目的は、培養液の持つ好ましくない問題点を解決し、新しい養液栽培法 --懸濁液耕法-- を研究開発し実用化に移行させようとするものである。 そこで、一般的に使用されている水耕養液を使用し、水耕栽培における栽培作物の果実の高品質化のために行う養液の高濃度処理を行い、栽培作物に生理的障害を起こさせることにより、一般的に使用されている水耕養液の問題点について検討を行い、さらにイオン交換体、吸着剤を水耕養液および培養培地に混入することにより、懸濁液耕を実施し、実用性について検討を行った。 水耕養液濃度を上昇させていくと、トマト果実に尻腐れ現象が起こることが発見され、水耕養液二中にカルシウムイオンが高濃度に含まれていても、トマト果実に尻腐れが発生することから、必ずしもトマト果実における尻腐れはカルシウム欠乏症から発生する生理障害とは限らないことが明らかにされた。さらに、水耕植物におけるイオンの膜透過性を根で計測すると、イオン種間での透過性に大きな差異が見られ、混合イオンでは膜透過性が著しく単一イオンと異なることがわかった。組織栽培においても、培養濃度の変化で細胞伸長が影響されることが明らかになった。 イオン置換体であるゼオライト、ベントナイトを添加することにより水耕培地および組織培養培地の改良が可能であることが明らかとなった。また、イオン交換能を持たないが物質吸着剤として利用できる活性炭を培地中に混入しても培地の改良に実用的に役立つことが明らかとなった。 以上のことから、コロイド状物質を従来の水耕養液または組織培養液に混入させることによる懸濁液耕法は、これからの新しい栽培および培養法として発展性があることが示された。
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