研究課題/領域番号 |
04554014
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福西 浩 東北大学, 理学部, 教授 (90099937)
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研究分担者 |
田口 真 東北大学, 理学部, 助手 (70236404)
岡野 章一 東北大学, 理学部, 助教授 (10004483)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
1993年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1992年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | レーザーヘテロダイン分光 / オゾン / メタン / 硝酸 / 赤外分光 / 成層圏 / 波長可変半導体レーザー / リモートセンシング / オゾンホール / 半導体レーザー / 大気観測 |
研究概要 |
赤外線レーザーヘテロダイン分光計の特徴は、1)10^6以上の超高分解能分光が実現すること、2)信号対雑音比(SNR)を大幅に上げることができることである。さらに局発レーザーに半導体レーザーを用いることにより、小型・軽量化も可能となる。しかし、半導体レーザーの発振周波数は温度と半導体に流す電流によって変化するので、それらの高精度制御が不可欠となる。また、1つの半導体レーザーの発振周波数範囲は狭いので、広い波長域にわたる分光を可能とするには複数の半導体レーザーを切り換えて使うことが必要となる。本研究では、これらのことをすべて取り入れた可搬型レーザーヘテロダイン分光計の開発を行なった。まず、平成4年度に設計及び各部品の準備を行い、平成5年度に組立・性能試験を行った。その結果、複数の大気微量成分の同時観測用にレーザーを4個装備し、光学系の重量も約70kgと小型・軽量な分光計を完成させた。また、本装置は従来のレーザーヘテロダイン分光計に比べ調整が容易で戻り光によるレーザーの不安定も回避しやすくすることができた。本分光計の性能は10ミクロン付近での波数分解能が0。0013cm^<-1>、SNRが500〜1500と高性能で、オゾンや他の大気微量成分の吸収線スペクトルのプロファイルを短時間(約10分)で計測することが可能となった。 次に、開発した可搬型レーザーヘテロダイン分光計を用いて各地で観測を行った。まず、つくばでオゾン、メタンの観測を行い、オゾンの観測結果からはピナツボ火山エアロゾルの存在していた高度20km付近のオゾン密度に顕著な変動はないことが分かった。メタンの観測についてはこのデータから高度分布の導出法を開発した。さらに1994年には仙台において一酸化二窒素の長期観測を行い、その高度分布の季節変化等を調べた。1994年には南極昭基地においてもオゾン、一酸化二窒素、メタン、硝酸の観測を行い、オゾンと一酸化二窒素の解析からオゾンホールの形成期から崩壊後にかけての変動の様子を細かく促えることに成功した。
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