研究課題/領域番号 |
04555017
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理計測・光学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
高木 芳弘 姫路工業大学, 理学部, 教授 (80106161)
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研究分担者 |
足立 智 姫路工業大学, 理学部, 助手 (10221722)
嶽山 正二郎 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (20163446)
高木 芳弘 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 教授 (80106161)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | 非線形光電効果 / 超短パルスレーザー / 光電材料 / 自己相関器 |
研究概要 |
本研究では相関法による超短パルス光の測定を目的として、固体の光電効果における非線形応答を利用した新しい手法の実用化を試みた。初年度で指摘された問題点や明らかにされた点を挙げる。 1)実用上解決すべき点。市販の超短パルスレーザー装置では通常、数十メガヘルツのパルス繰返し率で出力が得られる場合が多い。平均パワー80mW、繰返し率76MHz、パルス幅100フェムト秒の出力はピーク強度は10kWで、ビーム断面積0.1cm^2を非集光で用いて100kW/cm^2である。この集光密度に対して非線形光電効果は単一パルスでも信号が得られるが、これが高い繰返し率で照射されると、光電変換後の電子の蓄積効果が現れ、応答出力は一次依存性が二次依存性を上回ってしまうことがセシウムアンチモンの光電陰極を用いて判明した。 光電効果は、入射光強度と用いる光電材料に依存して一次〜5次まで強度依存性が激しく変化することが判明した。これは使用する光強度領域を制限することになるので、分光感度特性と合わせてあらかじめ知っておく必要がある。 2)相関法における他の手法(2光子蛍光法や高調波発生法)では困難な条件下、すなわち波長400nm以下の紫外域では本手法が最も簡便かつ高感度であることがわかった。非線形光電効果はヨウ化セシウムの光電陰極を用いて、波長200nmの近傍では検出に要するパルス光の最小積分強度は10nJで、単一パルスで測定できた。また同材料で波長266nmのパルスと532nmのパルス、及び波長266nmのパルスと1064nmのパルスのそれぞれの組合せで交叉相関が得られた。このときの自己相関信号によるバックグラウンドとの強度比はほぼ100で、この結果、ある限られた波長範囲ではバックグラウンドフリーな相関測定が可能であることが明らかにされた。 3)本手法では自己相関や交叉相関の測定により光電陰極材料の評価を行ったが、調べられた時間応答特性は材料の光物性の研究試料にもなり得る。特にヨウ化銅やヨウ化タリウムにおいては伝導帯への光励起により伝導帯におけるエネルギー移動の動的挙動が顕著に現れた。 本研究は上記の解決すべき課題を依然残しており、研究期間終了後も平成6年9月30日までに完了させる予定である。
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