研究課題/領域番号 |
04555019
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
加藤 景三 新潟大学, 工学部, 助教授 (00194811)
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研究分担者 |
粟野 満 東京工科大学, 工学部, 教授 (20016009)
南 一男 新潟大学, 工学部, 教授 (00023135)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / ミリ波 / パルス出力 / スイッチング / 空洞共振器 / 誘電体共振器 / Q値 / 透過電力 |
研究概要 |
Y-Ba-Cu-O(YBCO)酸化物高温超伝導薄膜をミリ波空洞に装着し、この薄膜にレーザー光パルスを照射し超伝導-常伝導スイッチングさせ、空洞内のミリ波エネルギーを大出力パルスとして外部回路に取り出すパルス源を2年間で開発することが本研究の目的であった。レーザアブレーション法により、単結晶MgO基板上に臨界温度約90Kを持つ厚さ0.2μmのYBCO単結晶薄膜を作製した。そして、共振周波数24.0GHzのTE_<011>モード銅製円筒空洞(直径15.8mm、長さ23.8mm)を設計・作製し、このミリ波空洞共振器の一方の短絡板中央に直径8mmの穴を設け、この部分にYBCO超伝導薄膜を装着した。この空洞の無負荷Q値は、室温で1.3×10^3、20Kで2.6×10^3であった。また、ミリ波透過電力を測定した結果、透過電力は90K以下でも観測され、50K以下にならないとほとんど透過しない状態にならなかった。この特性は、2.84GHzの超伝導転移温度以下でほとんど透過しなくなる実験結果とは異なり、周波数が高くなったことにより表面抵抗が大きくなったため、あまり良くない。すなわち、大出力ミリ波パルスを得るためにはかなり低温で動作させなければならないことがわかった。パルス時間幅10ns、波長1.06μmのQスイッチNd:YAGレーザ光パルスをYBCO薄膜に照射し、空洞内のミリ波エネルギーを外部回路に取り出すこと試みた。その結果、30Kにおいて入力の約1.1倍のパルス出力が得られた。この結果から、理論的には空洞の無負荷Q値が10^6程度になれば入力の千倍の出力が得られ、大出力ミリ波パルス源として動作可能と考えられる。さらに、誘電体共振器を用いたミリ波パルス源についても理論的検討を行い、有用な結果を得ている。今後、出力回路をさらに改善し、高Qミリ波空洞共振器および誘電体共振器を使用して実験を行う予定である。
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