研究概要 |
マイクロマシン用素子であるSi単結晶微小試験片および先端複合材料用強化材である強化繊維,強化粒子の機械的特性と疲労特性評価が可能となる微小材料機械的特性評価試験機システムを開発し,本試作試験機が,荷重負荷レンジ:0.1mN-5N,荷重負荷精度:±20μm以下,変位測定レンジ:0-250μm,変位測定分解能:0.1μm以下,変位測定の直線性:フルスケールの±2%以内の設計仕様を十分満足していることを確認した。つぎに,試作試験機を使用して,マイクロマシン用Si微小素子および複合材料用強化単繊維3点曲げ試験,圧縮試験,引張試験を実施した。これにより,Si微小試験片の弾性係数は,結晶方位依存性のあること,微小試験片の破断強度には,試験片加工方法の影響を受けることを明らかにした。さらに,強化繊維の横方向弾性係数は,繊維のミクロな繊維方向への配向度と関連を有すること,アラミド繊維は吸水することにより繊維方向および繊維横方向弾性係数が低下するとともに,繊維のスプリッティングが大きくなること,さらにセラミック繊維である,アルミナSiC,Si-C-Ti-O繊維の繊維方向弾性係数は,湿潤環境の影響を受けないが,引張強度は湿潤環境中では真空中あるいは空中より低下することなど興味ある結果を得て,本開発試験機により微小材料の機械的特性評価が十分な精度で可能であることを確認した。
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