研究分担者 |
狼 芳明 いすゞ自動車(株), 小型車研究実験部, 研究員
盛田 英夫 石川島播磨重工業(株), 技術研究所, 研究員
坂井 英男 三井東圧化学(株), 高分子研究所, 研究員
青柳 宏 帝人(株), 高性能材料研究所, 研究員
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80016675)
多賀 宏二 マツダ株式会社, 車輌実研統括部, 研究員
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
1994年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
昨年度までに完成した衝突試験システムにより,金属系ではスチールおよびアルミニウムにより,非金属系では炭素およびガラス繊維強化プラスチックによりそれぞれ製作された薄肉円筒および薄肉正方形試験体の衝撃圧潰試験を行った.金属系の試験体では,主に折り畳みによる安定な逐次圧潰が現れ,荷重の変動はあるもののエネルギー吸収は潰れの進行に対して比較的に推移した.また,同時に行われた静圧潰試験による結果と比較したところ,アルミニウム製の部材では衝撃圧潰の場合のエネルギー吸収量とほとんど差がなく,スチール製の部材では衝撃圧潰の方が約30%のエネルギー吸収量の増加が見られた.一方,非金属系の試験体では,金属の場合とは全く異なる繊維の破断や樹脂との剥離等による複雑な様相の圧潰が見られたが,荷重の変動が非常に小さい安定的な逐次圧潰であり,エネルギー吸収の推移も変形に対してやはり比例的であった.金属系では,有効な圧潰量が部材の長さの60%程度であり,それ以上はいわゆる底突き現象によりエネルギー吸収が望めないが,繊維強化プラスチック系では,ほとんど部材の全長を有効圧潰長さとして利用できた.一方,単位潰れ長さに対するエネルギー吸収量は,スチール・アルミニウム・繊維強化プラスチックの順で小さくなるが,単位潰れ質量に対するエネルギー吸収量は全くこの逆の順序で小さくなった.これを要するに,エネルギー吸収を必要とする機構設計を行う際に,最大吸収量・圧潰可能距離等により,薄肉部材の断面形状・材質を機能別に選択することが可能であり,本研究の成果がその指針を行えるものであることが明らかになった.特に繊維強化プラスチックでは圧潰モードの制御がその部材設計によって可能であり,今後に大きな期待の持てるエネルギー吸収部材であることが判明した.
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