研究概要 |
機能材料等の表面の最終仕上げ加工に対し,EEM(Elastic Emission Machining)が用いられている.EEMとは微細粉末粒子の固体表面の反応性を利用した化学研磨であり,原子オーダーで平坦な完全鏡面を得ることができる.本加工法を広範囲の材料に適応することを考えた場合,それぞれの加工物に対して適した粉末粒子を選択しなければならない. 本研究では,微粒子最表面の材料物性がEEMの加工特性にどう影響するかを明らかにするために,比較的粒度のそろった微粉末が入手可能なポリスチレン製の高分子微粒子を核とし,その表面に各種材料をCVDコーティングする手法を採用した.昨年度我々は,粉末粒子プラズマCVD装置を試作しており,本年度はこの装置を用いて,実際にポリスチレン微粒子にアルミナコーティングを行い,コーティングした微粒子を用いてシリコンのEEM加工を行った.次表は,SiO2微粒子とアルミナコーティングポリスチレン微粒子とを用いてシリコンのEEM加工を行った結果である.この表より,加工量はSiO2微粒子に比べて少ないものの,加工液中の微粒子が占める体積濃度の違いを考えて加工効率を比べると,十分な加工量が得られていると言える.よって,本研究により,試作したプラズマCVD装置を用いてポリスチレン微粒子にアルミナコーティングが行えることを明らかにしたとともに,コーティングした微粒子を用いてEEM加工が可能であることを明らかにした.
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