配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
1994年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1993年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1992年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
本研究は直接噴射式ディーゼル機関において,高い熱効率を維持しつつ窒素酸化物や微粒子などの大気汚染物質の排出を低減することを目的としており,従来の噴霧拡散燃焼方式を予混合燃焼方式に近づける試みを提案している.すなわち具体的には,従来形のズルより1桁噴口断面積の小さな噴口を多数個持つノズル,高圧噴射,短い着火遅れのコンビネーションを提案している.実施した試験研究により得られた成果は以下の通りである. 1.マイクロホールノズル試作 レーザー穴あけ加工により最小噴口径0.06mmという恐らく世界最小の噴口を有する多噴口ノズルの試作に成功した. 2.マイクロホールノズルの噴霧の着火と燃焼特性 ボア60mmの燃焼室を有する急速圧縮膨張装置を用いてノズル噴口径が着火遅れに及ぼす影響を調べた.噴射圧力100MPa,燃焼JIS2号軽油,雰囲気圧力8MPa以下の条件で実験を行ったところ,噴口径0.15mmから0.06mmに小さくすると着火遅れが約30%短くなるとの新知見が得られた.また直接噴射式エンジンにマイクロホールノズルを装着して燃焼実験を行った結果,着火遅れが短縮されること,初期燃焼割合が増加すること 排気煙濃度は低下するが窒素酸化物濃度は低下しないことなどが判った. 3.スプール式高圧燃焼装置の試作 スプール加速式高圧燃焼噴射システムの試作及び試験を行った結果,スプールのプレリフトの変更やスプールを短時間に2度加速させることなどによって,初期噴射率が制御できることや,パイロット噴射が可能ないことが判った.これによりマイクロホールノズルを用いた燃焼試験において,予混合気の形成過程を噴射率によって制御した場合の燃焼について調べる手段ができた.
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