研究課題/領域番号 |
04555068
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松波 弘之 京都大学, 工学部, 教授 (50026035)
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研究分担者 |
木本 恒暢 京都大学, 工学部, 助手 (80225078)
吉本 昌広 京都大学, 工学部, 助手 (20210776)
冬木 隆 京都大学, 工学部, 助教授 (10165459)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
1993年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1992年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
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キーワード | シリコンカーバイド(SiC) / パワーデバイス / 気相エピタキシ- / 成長機構 / イオン注入 / 熱酸化 / pn接合ダイオード / Schottky障壁ダイオード / 結晶成長 / 不純物ドーピング |
研究概要 |
本研究では、ワイドギャップ半導体SiCの高品質・高純度結晶を製作し、そのパワーデバイスとしての有用性を検討した。以下に本研究で得られた主な結果をまとめる。 1.デバイス製作プロセス技術の確立 (1)CVD成長中にN_2を用いたNドナーの添加、およびTMAを用いたAlアクセプタの添加を行い、成長層のキャリヤ密度(p、n型)を10^<16>〜10^<20>cm^<-3>の広い範囲で制御した。Alド-ピングには基板面極性依存性が存在することが分かった。 (2)SiCの熱酸化速度の面方位依存性を調べ、酸化条件の最適化を図った。酸化膜(SiO_2)は9MV/cmの高い絶縁破壊電界を有し、最小界面密度5x10^<10>cm^<-2>eV^<-1>という優れた界面特性を有する。 (3)CF_4+O_2を用いたSiCのRIEを行い、エッチング速度140nm/minで平坦なエッチング表面を得る技術を確立した。このときのAlマスクに対する選択比は約8である。 (4)p型SiC成長層へのNドナーのイオン注入を行い、アニールによる結晶の回復過程を分析した。1600℃のアニールを行うことによって、キャリヤ密度9x10^<18>cm^<-3>、シート抵抗800Ω/□の低抵抗n層を得た。 2.SiCパワーデバイスの試作 (1)エピタキシャル成長によりpn接合ダイオードを作製し、評価した。順方向では空乏層内の再結合電流が支配的であることを明らかにした。逆方向では、リ-ク電流が極めて小さく(100V印加時で1x10^<-10>A/cm^2)、480Vの耐圧を得た。ここから計算したSiCの絶縁破壊電界は3x10^6V/cmである。 (2)p型SiC成長層へのN^+注入によってpn接合ダイオードを作製し、450Vの耐圧を得た。 (3)Au/n型SiC成長層のSchottky障壁ダイオードを試作・評価した。順方向の理想因子n値1.1、オン抵抗8x10^<-3>Ωcm^2、逆方向耐圧1100Vという極めて優れた特性を得た。また、400℃での高温動作も確認した。 今後はFETを設計・試作し、SiCパワーデバイスの有用性を示す必要がある。
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