研究課題/領域番号 |
04555090
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊福部 達 (伊福部 透) 北海道大学, 電子科学研究所・感覚情報研究分野, 教授 (70002102)
|
研究分担者 |
井野 秀一 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (70250511)
泉 隆 北海道東海大学, 工学部, 講師 (80193374)
川嶋 稔夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (20152952)
高橋 誠 北海道大学, 電子科学研究所・感覚情報研究分野, 助教授 (10154858)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
|
キーワード | 触覚 / 人工現実感 / ロボットハンド / 材質感 / 触覚情報処理 / テレイグジスタンスロボット |
研究概要 |
電子義手や機能的電気刺激およびテレイグジスタンス型ロボットや人工現実感などの分野では触感覚をどのように人間の皮膚にフィードバックさせたり呈示させるかが大きな課題となっている。本研究では、これらの課題に応えるために、材質感のような触覚の質に関する感覚がどのような物理的要因で規定されるかを心理物理実験を通じて調べ、触感覚をできるだけ忠実に呈示するシステムを提案した。また、水素吸蔵合金を利用したアクチュエータを利用し、触感覚ばかりでなく上腕に力感覚を呈示する装置の開発を行った。これらの呈示システムを感覚フィードバック型ハンドに組み込んで評価を行い、その有効性を確かめた。以下に、得られた結果を要約する。 (1)表面粗さ、粘度および熱容量の異なる物体を指先で触れたとき、粒子径が30μmを境に「さらさら」感から「ざらざら」感に移行すること、粘度17dPa・sで「ぬるぬる」感が最大になること、皮膚温度の時間パターンが材質の識別の手がかりとなることが分かり、ペルチエ素子により皮膚温を可変にすることで、ある程度の材質感を呈示することができることを実証した。 (2)物体を把持したときの「ずれ弁別閾」は20μm-30μmとなり、ずれ弁別閾には方向依存性があること、皮膚温が32℃のときに弁別閾が最も低くなることが分かった。水素吸蔵合金を利用したアクチュエータを設計し、アクチュエータを上腕に装着して力情報を呈示した結果、仮想物体の重量感を知覚させることができることが分かった。 以上から、触感覚に関する多くの形容詞が表面粗さ、粘性及び温度の3つのパラメータで表現できる可能性が示された。今後は、本課題で得られた知見や技術を基に、感覚フィードバック型ハンドのための触感覚呈示システムを構築していきたい。
|