| 研究分担者 |
若原 敏裕 清水建設(株), 技術研究所, 主任研究員
山口 宏樹 埼玉大学, 工学部, 助教授 (50134474)
木村 吉郎 東京大学, 工学部, 助手 (50242003)
野村 卓史 東京大学, 工学部, 助教授 (50126281)
野路 利幸 三井建設(株), 技術研究所, 主席研究員
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| 研究概要 |
本研究は2つに大別できる.
(1)マルティプル同調液体ダンパーの有効性に関する実験的検証
水深を若干変え,液体動揺の固有振動数がある幅の中で段階的に変化するマルティプル同調液体ダンパーを製作し,強制加振実験を行い,その特性を把握した.次に,それを1自由度系構造物にのせ,強制加振実験を行い,その有効性を確認した.とくに,同じ質量比の従来型の同調液体ダンパーに比べ,ロバスト性が高まることが実験的に明らかにされた.
(2)マルティプル同調ダンパーの基本的特性の解明と性能評価式の提案
固有振動数を,対象とする構造物の固有振動数まわりに分散させたマルティプル同調ダンパーの制振特性をパラメトリック解析により明らかにした.その結果,ダンパーの数,質量比が与えられた場合,固有振動数のレンジ,個々のダンパーの減衰定数には最適値が存在することが明らかとなった.ただし,あわせて制振性能は個々のダンパーの特性にあまり敏感ではない.すなわちロバストであることが示された.
パラメトリック解析とは別に,摂動法を用いた純解析的な手法でマルティプル同調ダンパーの特性を解明し,その制振評価式を,ダンパーの個有振動数の幅,減衰定数,個数の関数として陽な形で導いた.また,ダンパーの最適固有振動数の幅についても陽な形で導いた.これらはマルティプル同調ダンパーを設計するにあたって,極めて有用なものである.
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