研究概要 |
鉄筋コンクリート製橋粱床板の劣化の程度を調べる目的で,X線立体写真を用いる手法について検討した。X線による非破壊検査システムを考えると現場への適合性の問題が大きい。そのため、基礎実験として大型のX線管を用いて,コンクリートの厚さと得られるフイルム濃度との関係について調べた。この結果を基に実際のコンクリート構造物についてX線撮影を実施した結果,管電圧300KVpのX線管では厚さ30cm程度まで撮影可能であるが,厚さが増すにつれて画質が低下し立体視が困難になることがわかった。さらに大型の管電圧420KVpの装置では,厚さ30cm程度でも可能であった。しかし,現場への運搬が著しく困難であるのでイメージングプレートの利用を検討した。イメージングプレートによると高画質のX線像が 管電圧300KVpのX線管でも得られ,立体視も容易であった。 得られた2枚のX線立体写真から三次元計測を行うための計算用プログラムを開発した。立体視が可能であり左右の写真座標が計測できれば三次元座標の計算は可能であった。実際に適用するためには立体視に適した高画質のX線写真を得ることが重要であり,このために工夫が最大の問題である。
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