研究課題/領域番号 |
04555119
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・土質工学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 徹 京都大学, 工学部, 教授 (20027212)
|
研究分担者 |
北 勝利 京都大学, 工学部, 助手 (60234225)
三村 衛 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00166109)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
|
キーワード | コーン貫入 / アイソトープ / 含水比 / 密度 / 粘土地盤 / 原位置試験 |
研究概要 |
RIコーン貫入試験機の実用化を目的として、旧塩田跡地である錦海湾において原位置試験を実施した。含水量を測定する際に用いる熱中性子は塩素イオンによって強く吸収される性質を有しており、海成粘土中の間隙水に含まれる海水の影響が実用上の大きな問題となっている。錦海湾の粘土の塩素イオンの含有量は普通の海成粘土の約10倍もあり、RIコーンの適用が懸念された。そこで、あらかじめ室内試験で求めた塩素イオン濃度と中性子カウントの減少率を校正曲線に導入し、別途調べた錦海湾粘土の塩素イオン濃度分布を勘案することにより、イオン補正を行った。これにより、検層結果は室内試験結果と非常によい一致を示し、錦海湾のような高塩素含有地盤に対してもRIコーンが工学的に十分適用できることがわかった。 次に、堤防建設に伴う粘土地盤の強度増加と圧縮性の評価という、重要な問題への適用を試みた。堤防から離れた地点で一カ所、堤防下で1カ所貫入試験を行い、前者を建設前、後者を建設後と考えて、堤防建設による強度増加および沈下挙動を検討した。その際比較のため、弾粘塑性有限要素解析を実施した。解析にあたってはその初期条件(地盤の初期鉛直応力と初期間隙比分布)を、それぞれ密度検層結果および含水量検層結果によって設定した。解析による地盤の間隙比の変化は堤防下の検層結果と一致し、検層結果に基づいた計算沈下量は解析結果と概ね一致した。また堤防荷重の分散による基礎地盤の有効応力の増加がかなり小さめにとどまり、このため地盤の強度増加がほとんど期待できないと推定された。堤防下におけるコーン先端抵抗値は顕著な増加を示さなかったが、この事実は解析結果によって定量的に説明できる。以上の結果から、RIコーン貫入試験は軟弱粘土地盤の強度・変形特性の把握に対しても有効な情報を提供できることが明らかとなった。
|