研究概要 |
1.多孔体中の汚染物質ガス流動特性:(1)1次元コラム実験を通じて多孔体中の鉛直移動特性は拡散に依ることを明らかにし,多孔体の間隙率を考慮した係数を,空気中の拡散係数に乗ずることで,その特性を説明できることがわかった.(2)2次元槽実験を通じて揮散ガスの不飽和土壌中における2次元的な拡がりを明らかにした.溶液・原液ともに同様の傾向を示し,溶液濃度とガス濃度とが比例関係にあることが確認された.(3)ガス抜き法実施時の2次元的なガス挙動が明らかになった.特に大流量吸引時には高濃度の揮散ガスは,吸引部と汚染源の間に多く分布することがわかった.また,地表面境界条件の違いによりガス流動の方向が異なり,上面からの空気の流入を制限した場合には,汚染源上流部の揮散ガス濃度は低くなる傾向にあることがわかり,地表面の被覆が吸引集ガスに影響を及ぼしていることが明らかになった. 2.現地汚染地域の実態究明:(1)汚染地域での表層土壌ガス調査は浅い土壌・地下水汚染調査には有効であることが実証できた.また,ガス調査において現場の状況に応じた感度の調査法を用いて汚染の有無を確認することが必要であることを指摘した.(2)土壌ガス吸引技術の有効性を実証する現地実験を行った.初期の汚染物質の除去率は高いが,対策の進歩に伴い除去率が減少し,揚水の除去率を下回ることが判明した.(3)汚染物質の存在状況や対策の進展に応じ,修復技術の見直し,より効率的な技術への切換えの重要性を指摘した.
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