研究課題/領域番号 |
04555166
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
増本 健 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20005854)
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研究分担者 |
上埜 修司 ユニチカ株式会社, 中央研究所, 研究員
渋谷 清 川崎製鉄株式会社, 鉄鋼研究所, 主任研究員
西山 信行 帝国ピストンリング株式会社, 新製品開発部, 研究員
牧野 彰宏 アルプス電気株式会社, 中央研究所, 研究開発主任
菊地 迪夫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30204837)
原川 義夫 帝国ピストンリング株式会社, 新製品開発部, 主任研究員
松木 謙典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50241568)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
21,100千円 (直接経費: 21,100千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 18,100千円 (直接経費: 18,100千円)
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キーワード | 軟磁性材料 / アモルファス合金 / ナノbcc合金 / ナノ結晶化 / 高磁束密度 / 透磁率 / 磁歪 / アモルファス相 / ナノbcc相 / 軟磁性 / 結晶化 / アモルファス薄帯 / 高透磁率 / 零磁歪 / 低鉄損 / Fe-Zr-B合金 / 液体急冷法 |
研究概要 |
1.6T以上の高飽和磁束密度をもつ鉄基軟磁性材料を開発するための基礎研究を行った結果、Fe-Co-Zr-Nb-B系のアモルファス相を873Kで3.6ksの焼なましを行いナノbcc相を主相とする部分結晶化組織において、1.6T以上の高飽和磁束密度、10^5に達する極めて高い透磁率(1KHz)、ほぼ零の磁歪特性が同時に得られることを見出した。最終的に得られた最適組成は、Fe-2at%Co-2%Zr-5%Nb-5%Bであり、この組成合金を用いることにより単ロール急速凝固法により、幅12mm、厚さ20μm、長さ100m以上の広幅、長尺のアモルファス薄帯を作製できる。また、アモルファス薄帯は良好な曲げ延性を有しているために、直径10mmのリング状に打抜き加工を溶易に行うことができる。このリング状アモルファス合金を873Kで3.6ks焼なましを行うことにより、直径約10〜20nmで球状のナノbcc粒が約5nm幅の残留アモルファス相で囲まれたナノ複相組織が得られる。ナノビーム組成分析を行った結果、bcc粒にはCoが濃化され、一方残部のアモルファス相中にZr,Nb,Bが富化しており、結晶化のこの組成分配化がナノ結晶組織が形成され、優れた軟磁性の発現に不可欠であることを明らかにしている。特にナノbcc粒の直径と粒子間隔が磁壁幅である約50nmより小さく、強磁性発現の交換相互作用が有効に働いていることが、本ナノ結晶材料において重要であることを指摘している。このようにして開発したナノ結晶薄帯を高分子樹脂で積層化し、実用を想定した積層材で鉄損および透磁率の周波数依存性を50Hzから10MHz域まで測定した結果、本ナノ結晶合金の高い飽和磁束密度と零磁歪のために、商用のFe-3mass%Si鋼やFe-Si-B系アルモファス合金薄帯よりもはるかに優れた値を示すことを見出し、本ナノ結晶合金が新しいタイプの高磁束密度軟磁性材料として実用化できる見通しが得られた。
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