研究課題/領域番号 |
04555225
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
船津 和守 九州大学, 工学部, 教授 (80037960)
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研究分担者 |
尾本 充 (株)イノアック技術研究所, 主任研究員
松下 琢 九州大学, 工学部, 助手 (10209538)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
1993年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1992年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | ポリウレタンフォーム / 三次元培養 / 肝細胞集塊 / 多細管型PUF充填層培養装置 / ハイブリッド型人工肝臓 / アンモニア解毒 / 肝不全ラット / 体外循環システム / 正常肝細胞 / 多細管型PUF充填層 / 生体外組織構築 / プロテオグリカン / 細胞分化機能発現 |
研究概要 |
1.平成4年度において検討された肝細胞の生体外組織化を誘発する最適PUF材料を平板型(1.5×40×40mm)に成形し、このPUFの各孔に肝細胞集塊を形成させ、それをPUF充填層培養装置に組み入れた。肝性昏睡の原因物質の1つであり肝不全時に血中濃度が上昇するアンモニアを添加した無血清培養液をこの装置に流入させハイブリッド型人工肝臓として機能するかどうかを確認したところ、アンモニアは有意に解毒され尿素に代謝変換された。また細胞当りの尿素合成速度は生体内の肝細胞とほぼ同程度かそれを上回る値であり、この機能は約3週間にわたって維持された。 2.培養装置内の肝細胞の高密度化と装置内の良好な物質移動の達成を目的として、円柱のPUFブロックに培地の流路のための細管を多数成形した多細管型PUF充填層培養装置を設計した。その結果、この装置の細胞密度は1×10^7cells/cm^3まで上昇し、また装置内で肝細胞集塊の形成も確認できた。この多細管型PUF充填層の開発によって単位装置体積当りの肝機能(尿素合成能)は、平板型の約10倍に向上した。 3.ハイブリッド型人工肝臓のスケールを細胞量基準で考えた場合、目標となる肝臓の1/10量の細胞を使用した時、この多細管型PUF充填層装置を用いることで人工肝臓が約2リットルまでコンパクト化できることが示された。これは十分臨床応用可能なスケールであると思われる。 4.薬物で誘発した肝不全のラットに適用するための小型の血漿分離装置を含んだ血液の体外循環システムを確立し、本ハイブリッド型人工肝臓装置の性能評価を行った。3時間の体外循環の結果、肝不全によって上昇した血中アンモニアは本装置によって減少し、特に人工肝臓の血漿循環ライン中のアンモニア濃度は正常値にまで低下した。また体外循環後もラットは順調に回復した。
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