研究分担者 |
倉持 寛太 北海道大学, 農学部, 助手 (00225252)
田中 夕美子 北海道大学, 農学部・附属演習林, 技官教務職員 (60221397)
佐藤 冬樹 北海道大学, 農学部・附属演習林, 助手 (20187230)
波多野 隆介 北海道大学, 農学部, 助教授 (40156344)
藤原 晃一郎 北海道大学, 農学部・附属演習林, 教授 (00001503)
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研究概要 |
寒冷地の山地において微気象・土壌環境を無電源で長期にわたって継続的にモニタする観測システムを設計・試作し,北海道大学農学部附属天塩地方演習林において現地フィージビリティーテストを行った.この目的を達するには,低消費電力,耐寒性の観測・データ処理および伝送装置とともに,ソーラーシステムによる電源装置の導入が不可欠であった.このためのソーラーパネルを設計,試作し,蓄電池と組み合わせて電源装置を構成した.無降雪期間については,電源装置の起電力はデータロガー,伝送装置を駆動するに十分な電力を供給したが,冬期間には着雪による機能低下が避けられなかった.とくに,初冬あるいは早春の湿雪が,着雪による障害を多発させ,その回復が困難であった.とくに,初冬の電力蓄積不足は,その後の著しい低温と相伴って電源装置だけでなく観測・伝送装置全体の機能確保を困難にした.現在のシステムでは,湿雪の多い初冬を中心に,少なくとも月1回程度の巡回,点検・保守を必要とし,完全な無人化は困難であった.冬期の電力供給を安定化させるには,太陽電池パネルと蓄電池の容量を現在の2倍程度に増設するとともに,保守点検が容易な配置を工夫する必要がある.観測装置,データ収録装置およびデータ伝送装置は厳冬期の現地テストでも満足できる性能を発揮したが,電圧低下時のバックアップ機能を増強する必要があった.なお,低温による機能障害はほとんど観測されなかった,したがって,センサー・データ処理装置・ロガーは所期の機能を果たし得るものと判断された.TDR法による土壌水分測定は定点観測による土壌水分モニタに適した方法であったが,消費電力が大きく,別電源を準備せざるを得なかった.土壌溶液の導電率測定は土壌から分離した水をフロー型センサーに導入して測定する方式を取らざるを得なかった.
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