研究分担者 |
河野 武治 西部ガス, 総合研究所, 研究員
山田 茂 西部ガス, 総合研究所, 課長
金丸 利壽 西部ガス, 総合研究所, 所長
田中 賢二 九州大学, 農学部, 助手 (20236582)
殿川 道夫 九州大学, 農学部, 助手 (60038213)
野間 浩一 西部ガス, 総合研究所, 研究員
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配分額 *注記 |
19,200千円 (直接経費: 19,200千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1993年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1992年度: 13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
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研究概要 |
本研究は、温室効果対策とプラスチック問題の両者を同時に解決することを目的として,微生物によって炭酸ガスを有機物へ還元し、生分解性プラスチック素材を生産する,炭酸ガス固定プロセスの開発を目的として,西部ガス株式会社総合研究所と共同で行ったものである。水素酸化細菌Alcaligenes eutrophusは,炭酸ガスを基質として独立栄養的増殖を行うとき,酸素供給が制限状態になると生分解性プラスチック素材として注目されているポリ-D-3-ヒドロキシ酪酸,P(3HB),をエネルギー貯蔵物質として菌体内に過剰に蓄積する。しかし、本培養はガス爆発の危険回避のためのシステムの開発や,大量高速度の基質供給を行なえるガス溶解性の大きいバイオリアクターの開発など,非常に困難な生物工学的課題がある。まず、本培養のstoichiometryに基づき,安全性,菌増殖,P(3HB)生成,全てを満足させうる培養システムの基質ガス供給条件を定めた。そして,特に安全工学的に設計され,特殊な防爆遮断装置を持つ混合ガス供給装置に、高いガス溶解速度が可能な高いKLa(約2790 h^<-1>)の特殊なかくはん装置を有するジャーファーメンターを組み込んだベンチプラントを,西部ガス株式会社総合研究所内に設置した。このシステムでは,爆発範囲外の混合気組成(酸素濃度 6.9%以下)で,菌濃度約91g/lP(3HB)濃度約62g/l,菌体内P(3HB)蓄積率約68%という高い値を得た。しかしこれは,実用的バイオプロセスとして問題点も多かった。そこで菌増殖は従属栄養的に,P(3HB)生成は酸素供給制限下の独立栄養条件で行う安全性のより高い2段培養法の開発し,KLa340h^<-1>の発酵槽で爆発範囲外の混合気でP(3HB)生成速度0.6g/1hの満足すべき値を得た。これらの結果に基づいて,西部ガス株式会社総合研究所内にさらに400 1規模の気泡塔型ガス発酵槽を設置して中間工業試験を行った。この成果は地球環境産業技術研究機構に報告された。
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