研究課題/領域番号 |
04556012
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 良 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023398)
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研究分担者 |
藤村 達人 三井東圧化学(株), ライフサイエンス研究所, 主任
安達 貴弘 名古屋大学, 農学部, 助手 (50222625)
松田 幹 , 助教授 (20144131)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 食餌性アレルギー / コメアレルゲン蛋白質 / アンチセンス遺伝子 / トランスジェニックイネ / アレルゲン蛋白質 / 低アレルゲン米 / 転写調節因子 / アンチセンスRNA |
研究概要 |
炊飯したコメを摂取することにより、重篤なアレルギー症状を呈するコメアレルギー患者は近年非常に増加しているといわれている。しかし食餌性アレルギーの発症機作については不明な点が多く、その治療についても現時点においては原因食品の摂取を控えることが最良の方法とされているにすぎない。本申請者はこの点に着目し、コメ可溶性蛋白質画分よりはじめて主要アレルゲン蛋白質の単離に成功している。また、最近これら一群のアレルゲン蛋白質遺伝子のクローン化にも成功し、アレルゲン蛋白質の全一次構造を決定すると共に、これらの蛋白質が多重遺伝子族の産物であることを明らかにしている。 本研究においては、アンチセンス遺伝子を作製して、既存遺伝子の発現制御を行うことによりアレルゲン蛋白質を含まない新しい品種のイネを遺伝子工学的手法を用いて開発することを目的とした。このために、既に得られているコメアレルゲン蛋白質のCDNAを、3種のプロモーター(RAプロモーター、イネプロラミンプロモーター、CaMV35Sプロモーター)に逆向きに連結した遺伝子を作製し、イネプロトプラストへ直接導入した。再分化したトランスジェニックイネの種子におけるアレルゲン蛋白質の量的変動を検出するために、SDS-PAGEおよびアレルゲン蛋白質に対するモノクローン抗体mAb(25B9)を用いたプロテインブロッテイング解析を行った。その結果、アレルゲン蛋白質以外の主要貯蔵蛋白質であるグルテリン、プロラミンに関しては、量的な減少は見られなかったが、いくつかの形質転換イネの種子では、アレルゲン蛋白質含量が減少していた。このことにより、アンチセンスRNA法によるアレルゲン蛋白質の発現抑制が可能であることが十分に示唆された。 今後、導入遺伝子の後代への伝達を調べると共に、アンチセンス遺伝子の改良によるアレルゲン蛋白質発現抑制率の改良を行う予定である。
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