研究分担者 |
藤本 勝 大鹿振興(株), 中央研究所, 所長
藤原 剛志 第一工業製薬(株), 第2開発研究所, 所長
川井 秀一 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (00135609)
松本 義勝 越井木材工業(株), 研究開発部, 部長
菅原 洋輔 富士電波工機(株), 大阪営業所, 所長
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研究概要 |
原材料であるスギ単板の熱板乾燥について新しい方法を提案し,從来の熱気乾燥に比べて非常に効率が良いことを示した。 単板の縱継ぎ方法としてフィンガージョイントの可能性を検討し,装置を試作した結果,高周波加熱よりも単純な熱板乾燥の方が効率が良いことを明らかにした。また,この方式により接着された部分は,その前後の単板強度の平均値とほぼ等しい強度をもつことが証明された。 キャタピラ-型の連続プレス(圧締部分の幅300mm,長さ700mm)の中に蒲鉾型LVL(外径390mm,肉厚30mmの円筒の1/6)の成型用治具(長さ1m)を挿入し,上下キャタピラ-から高周波電圧をかけ,その中でスギの厚さ2.5mmの単板にメラミン・ユリア樹脂接着剤を塗布したもの13層を成形した結果,プレス通過時間は陽極電圧に依存するが,アークを生じない範囲で7〜10分程度であることがわかった。この結果から連続プレスの圧締部分の長さを7〜10mに改造すれば,毎分1mの成形LVLが連続的に生産できることが予測される。この場合,治具を夛数用意して材料と共に挿入する必要がある。 連続プレス方式に先立って熱板プレスに金型を取りつけて行なった断続型のプレス実験では,長さ1m,外径300mm,内厚3.5mmのフェノール樹脂含浸円筒LVLの1/6部分を圧締成形し,前後,左右にフィンガージョイントし,長さ5.4mの円筒を製造した。この円筒の内部に比重0.38のウレタン発泡体を充填した結果,横圧縮強度は約40倍に改善された。 この場合の応力分布を有限要素法による数値解析で求めた結果,応力集中が非常に少いことがわかった。曲げ応力の分布も正常であった。 最後に繊維方向が幅方向の帯状の単板をクラフト紙で裏打ち補強し,スパイラルに巻き付け接着成形する新型の円筒LVL成形方式を試行した結果,高能率の成形が可能であることが推察された。
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