研究課題/領域番号 |
04557017
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
林崎 良英 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室員 (70192705)
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研究分担者 |
玉造 滋 日本ロッシュ研究所, 第一分子遺伝部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1992年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | ヘアピンリンカー / オリゴテックス / リンキングライブラリー / 固相化 |
研究概要 |
1、固相化リンカー(NotI trapper)の作成 我々は本研究に用いた固相化リンカーとして制限酵素NotIの認識配列をその末端にもったヘアピンリンカーをそのループの部分でラテックス樹脂表面に共有結合で固定したものを作成した。ヘアピンリンカーを用いることにより、一本鎖DNAの合成のみで良く、熱によって変性させても効率よく再生する固相化リンカーを作ることに成功した。 2、固相化リンカーの使用法 1)ゲノムDNAをNotIで切断し、NotI末端を持つ固相化リンカーにアニールさせ、結合酵素(リガーゼ)を用いてラテックス粒子に固定する。 2)結合しなかった非特異的DNA断片を洗浄除去する。 3)ラテックス粒子に固定したDNA断片を再びNotIにて切断してNotI末端のみ持つものを回収する。 3、固相化リンカーの特性 1)高い選択性--NotIによる再切断によって、DNA断片を回収するため、制限酵素の特異性を反映した高い選択性が得られ、NotI断片を10万倍以上に濃縮することができる。 2)均一な回収率--結合するDNA断片の長さにかかわらず40%の比較的高い回収率が得られる。 4、固相化リンカーを用いたNotIリンキングライブラリー、バウンダリーライブラリー作製法の確立 リンキングライブラリー作成においては、ゲノムDNAをBamHIで切断して、希釈下で同一のDNA断片の末端間でライゲーションし、NotIで切断した。この反応物の中から、固相化リンカーを用いてNotI断片のみを精製し、ラムダファージに組み込みクローニングした。その結果、970万個のNotIリンキングクローンを得ることに成功した。バウンダリーライブラリーにおいても同様に優れた結果を得ることができた。 5、現在は特定制限酵素末端の回収のみならず、ゲノムDNAの特定部位を選択的に標識する方法としても検討中であり応用範囲の広い方法として用いられるであろう。
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