研究概要 |
A)実機構成の見直し 前年度までの研究で質量分解能の点では所期の目的を達しているが,実試料を分析しようとすると1データ周期の分析に1分以上かかるとともに,サンプル導入系の配管を小型化しないと系の応答を実用レベルにあげることは困難との結論に達した。そこで,この検討資料をもとに実機の大幅改良を,外注先である(株)日機装中央研究所に依頼し,実行した。 B)実機の改良点 以上の検討の結果,サンプリング機構と物理系演算系に関する大幅な改善を行った。実行した改善点は, 1)処理修理の短縮:1データ取得のための1ステップあたりのフーリエ変換計算を含む周期を短縮した。約1データ/秒まで短縮し,連続記録波形が得られないよう装置を改良した。 2)サンプル試料を分析に際し,物理系の応答速度を上げるためにサンプル導入部の配管をより細い内径のものに取り替えた。その結果,ガスサンプルには瞬時に応答する測定系に改良することに成功した。 B)試料の分析応用テスト 機器改良前の成果として,1)水中のCO2溶存ガス(N2ベース),2)水中の溶存CO2,N2O,O2,N2(Arベース)の検量線を得た。 また,改良後,3)液中CO2の応答曲線,4)気体中のCO2,N2O,02,N2(Arベース)の検量線については現在継続中である。
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