研究課題/領域番号 |
04557086
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
大野 弘機 北海道医療大学, 歯学部・歯科理工学講座, 教授 (70018430)
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研究分担者 |
飯塚 恵文 日本橋徳力研究開発部, 研究開発課長
遠藤 一彦 北海道医療大学, 歯学部・歯科理工学講座, 講師 (70168821)
日景 盛 (日影 盛) 北海道医療大学, 歯学部・歯科補綴学第II講座, 助教授 (20134710)
荒木 吉馬 北海道医療大学, 歯学部・歯科理工学講座, 助教授 (20005036)
松田 浩一 北海道医療大学, 歯学部・歯科保存学第II講座, 教授 (20109458)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 接着用貴金属合金 / 臨床応用 / 接着レジン / 接着機構 / 光電子分光 / 接着性レジン / 接着性貴金属合金 / 復帰変異試験 |
研究概要 |
貴金属合金は、本質的に化学的活性が低いため、接着性レジンのモノマーと十分に接着しない。このために、種々の表面改質法が開発されてきた。しかし、これらのシステムは装置が非常に高価であるばかりでなく、薬剤の保存期間が短く、しかも操作が繁雑である欠点がある。代表者らは、合金表面に前処理を施すことなく、直接清浄な合金表面に接着性レジンを強固に接着できる方法として、貴金属合金に添加する卑金属成分の種類と添加量を変えることによって、優れた接着性が得られることを見いだし、特許(2-147766)を申請した。 本研究の目的は、本法の接着界面の耐水性をさらに検討すること、接着機構を解明すること、生物学的安全性の確認を含めて、保存学・補綴学領域への臨床応用を検討することであった。そこで耐水性を評価するために、水による接着界面の破壊機構を解明した。それに基づいて接着界面の耐水性の評価法を確立した。 新規接着用貴金属合金については、Auに対しては15%のInで、Agに対しては20%のSn添加で、Cuに対しては卑金属元素5%の添加で4-METAレジンに対する接着性の著しい改善がみられた。また、Pdに対しては、添加の効果が全くみられなかった。これらの合金表面をESCAで分析したところ、Au-In合金ではIn添加量の増加に伴って、合金表面においてバルク組成よりもInの濃度が高くなった。01sのスペクトルを解析したところ、In添加量の増加に伴って酸化物を構成する酸素量が増し、物理吸着した水に由来すると考えられる酸素量が減少した。これらの実験事実を基に、水素結合を中心とした金属と接着性レジンの接着機構モデルを提案した。さらに貴金属合金に対する接着レジンの基礎研究と臨床応用を展望した。 生物学的安全性に関しては、細胞毒性の試験により安全性が確認されている。また臨床応用に関しては、研究の終了にはさらに数年を要する。
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