研究課題/領域番号 |
04557090
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
長山 勝 徳島大学, 歯学部, 教授 (30022867)
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研究分担者 |
森下 英昭 持田製薬株式会社, バイオサイエンス研究所, 主幹
林 英司 徳島大学, 歯学部, 助手 (50173000)
力丸 浩一 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40220800)
森下 英明 持田製薬(株), バイオサイエンス研究所, 主幹
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
1994年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1993年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1992年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
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キーワード | 口腔癌 / 扁平上皮癌 / EGFレセプター / p53 / カドヘリン / モノクローナル抗体 / 遺伝子診断 / 分子細胞生物学 |
研究概要 |
遺伝子診断の技術を口腔癌に応用するためには、この癌に特徴的な分子細胞生物学的な特性を明らかにする必要がある。われわれは、口腔癌の大部分を占める扁平上皮癌細胞に的を絞り、その分子細胞生物学的特徴を検索した。 1)口腔扁平上皮癌における遺伝子異常で最も高頻度に見られるものは癌抑制遺伝子p53の変異であった。p53遺伝子エクソン5から8の変異をPCR-SSCP法で調べたところ63%にミューテーションが認められた。この変異とp53蛋白の免疫染色性を比較するために変異の明らかな口腔癌細胞をSCIDマウスに移植し調べたところ、mis-sense mutationを持つもののみが染色性を示した。このことは、免疫染色のみでp53の変異を論ずることの限界を示すものと考えられた。 2)新たに樹立した口腔癌細胞株におけるerbB-1遺伝子の増幅の頻度は25%であった。erbB-1遺伝子の増幅とEGFレセプターの発現を比較したところ、遺伝子増幅や転写の亢進が見られないにも関わらずEGFレセプターが過剰発現している例が明らかとなった。この例を詳しく調べたところ、EGFレセプターの分解過程の遅延が原因であることが明らかとなった。 3)EGFレセプター過剰発現細胞の転移形成におよぼすEGFの影響をSCIDマウスを用いた転移モデルを作製し調べたところ、明らかな影響は与えないことが明らかとなった。しかし、EGFの投与は難治性口腔粘膜疾患モデル兎における治癒促進効果を示した。 4)口腔癌の生物学的特性を蛋白分泌の面から検索した。その結果、正常細胞に比較して癌細胞で減少する蛋白および増加している蛋白をそれぞれ認識するモノクローナル抗体を作製した。今後これらの蛋白の遺伝子クローニングにより口腔癌の新しい性質が明らかになっていくことが期待される。
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