研究課題/領域番号 |
04557095
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 九州大学 (1993-1994) 国立予防衛生研究所 (1992) |
研究代表者 |
古賀 敏比古 九州大学, 歯学部, 教授 (10037541)
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研究分担者 |
中野 善夫 九州大学, 歯学部, 助手 (80253459)
於保 孝彦 九州大学, 歯学部, 講師 (50160940)
中井 素行 ライオン(株)オーラルケア研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 齲蝕 / Streptococcus mutans / 定着因子 / タンパク質抗原 / グルコシルトランスフェラーゼ / 融合タンパク質 / スクロース / 付着 / 免疫 / 遺伝子 |
研究概要 |
Streptococcus mutansが齲蝕を誘発する第一のステップは、同菌の歯面への付着である。このS.mutansの付着には2つのメカニズムが考えられている。すなわち、スクロース非依存性付着とスクロース依存性付着のメカニズムである。前者には菌体表層タンパク質抗原(PAc)、後者にはグルカン合成酵素(GTF)が重要であると考えられている。そこで、本ではPAcとGTF-Iという定着因子の機能領域を同定し、これらの領域からなる融合タンパク質を遺伝子工学的手法を用いて作成し、このタンパク質に対する抗体が両定着因子の機能に及ぼす影響について検討した。すなわち、PAc分子のアミノ酸配列に基づいて合成したデカペプチドを用いた研究により、同分子上の抗原決定領域はA-リピートと中央領域に局在していることが明らかになった。さらに、PAc分子上の唾液結合領域もA-リピート付近であることが、多くのPAc断片を用いた研究から明らかになった。そこで、PAcのA-リピートに対応するpac-A遺伝子とGTF-Iのスクロース結合領域に対応するgtfB-SB遺伝子をPCR法にて増幅、連結したあと、pTrc99Aプラスミドに組み込みプラスミドpFPG22を得た。同プラスミドでE.coliXL1-blue株を形質転換し、PAcとGTF-Iの融合タンパク質を発現させた。同融合タンパク質はウサギ抗PAc血清と抗GTF-I血清と強く反応した。この融合タンパク質でウサギを経皮免疫したところ、PAcとGTF-Iに対する高い抗体価が誘導された。ウサギ抗融合タンパク質血清は、GTF-Iによるグルカン合成を阻害した。このことから、本研究において開発された定着因子融合タンパク質は齲蝕の免疫学的予防に有用であることが示唆された。
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