研究課題/領域番号 |
04557106
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 教授 (80090471)
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研究分担者 |
滝川 一 帝京大学, 医学部付属病院, 助教授 (70197226)
小林 知雄 三共株式会社, 生物研究所, 室長 (70085645)
稲葉 實 癌研究所, 癌化学療法センター, 主任研究員 (60085636)
山崎 雅代 東京大学, 薬学部, 助手 (40240741)
寺崎 哲也 東京大学, 薬学部, 助教授 (60155463)
鈴木 洋史 東京大学, 薬学部, 助手 (80206523)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | 多剤耐性 / P-糖蛋白 / モノクローナル抗体 / ビンクリスチン / MRK-16 / ファーマコキネティクス / 生理学的薬物速度論 / MDR / 単離脈絡叢 / 脳脊髄液関門 / 脳血液関門 / AZT / DDI / vincristine |
研究概要 |
[1]抗癌剤の癌細胞からの汲み出し阻害:癌細胞としてP-388細胞を用い、また正常細胞として肝細胞を用いて、抗癌剤vincristine(VCR)の細胞からの排出キネティクスおよび各種阻害剤の影響について解析した結果、(1)細胞内に取り込まれたVCRはP-糖蛋白により能動的排出を受けるか、細胞内のディーププールに移行するかの運命を辿り、両者は競合的過程である。ベラパミル、シクロスポリンなどの阻害剤は、前者の過程のみを阻害する。従って、抗癌剤がディーププールに入る前に阻害剤処理をするほうが、効果的であることがわかった(2)肝細胞膜上に存在するP-糖蛋白に対してよりも、癌細胞膜上のP-糖蛋白に対して、より高い親和性を持つ阻害剤が多いことがわかり、in vivo条件においても阻害剤を用いることにより、多剤耐性を克服する道が開けた。 [2]P-糖蛋白に対するモノクローナル抗体のin vivo動態の解析:大腸癌由来のHCT-15細胞(自然耐性株)および対照としてColo細胞を用い、P-糖蛋白に対するモノクローナル抗体であるMRK-16の動態をin vivo,in vitroの両実験系で検討した。表面結合量、内在化量、およびメディウム中に存在する量の時間推移を測定し、データを適切なモデルにあてはめてそれぞれの過程に関する速度論的パラメータを算出した。その後、生理学的薬物速度論モデルに基づき、in vitroで得られたこれらのパラメータにより本抗体をヌードマウスに静注後の2種の癌細胞への抗体の移行に関する時間推移を予測したところ、予測値は実測値を良く反映していた。こうした解析より、癌細胞におけるP-糖蛋白の発現量とともに、癌細胞の毛細血管内皮細胞間の透過性もin vivoでの抗体の移行性を支配する重要な因子であることがわかった。
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