研究課題/領域番号 |
04557116
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
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研究分担者 |
林 謙一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (90238105)
田中 潤也 大阪大学, 医学部, 助手 (70217040)
乾 誠 大阪大学, 医学部, 助手 (70223237)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
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キーワード | アクチン / カルデスモン / ミオシン / アネキシンVI / 細胞骨格 / カルスペクチン / 間接螢光抗体法 / トロポミオシン / 細胞内局在 |
研究概要 |
細胞骨格蛋白質の細胞内局在を正確に決定する方法として、従来電子顕微鏡による直接的な観察方法が一般的に用いられてきた。しかし、固定の影響や界面活性剤処理による膜の可溶化のために生体内での本来の局在位置とは異なってしまう可能性が指摘されてきた。我々は生化学実験から導き出された幾つかの細胞骨格蛋白質の特性を考慮に入れた選択的抽出法と間接蛍光抗体法による形態学観察を組み合わせ、当該蛋白質の動的特性をも解析しながらその細胞内局在を解明して行く方法を種々の組織、細胞を用いて検討した。 1.ラウス肉腫ウイルスによる形質転換細胞の基質接着構造 ラウス肉腫ウイルスによる形質転換細胞には運動性に富むポドソームと静的な辺縁接着部の2種類の基質接着構造が形成されることを見い出した。ポドソームにはアクチン・ミオシンなどの収縮系蛋白質が集積しており、活発な運動性の物質的基盤となっていることを示した。一方、辺縁接着部にはインテグリンの著明な集積があり、悪性細胞の組織への浸潤の際にポドソームとの機能分担が行われているものと考えられた。 2.Ca・燐脂質結合蛋白質であるアネキシンVI結合蛋白質の検索 Ca・燐脂質結合蛋白質であるアネキシンVIの役割及びその分子機構を明らかにすることを目的として、ラット脳におけるアネキシンVI結合蛋白質を検索を行い、シナプシンIとカルスペクチンなど14種類の蛋白質に結合することを見い出した。この結果は、アネキシンVIがこれらの蛋白質と結合することにより、神経伝達物質の放出や細胞膜骨格のCa制御など種々の機能に関与することを示唆する。 3.神経系細胞の動的な細胞基質間接着構造とアクチン及びアクチン結合蛋白質 神経細胞とアストロサイトにおけるアクチンフィラメント・ゲルゾリン・アクトミオシン系蛋白質(ミオシン・カルデスモン・トロポミオシン)の細胞内局在を検索した。その結果、神経成長円錐にゲルゾリンとカルデスモン・トロポミオシンがアクチンフィラメントとともに局在していることを見い出した。この所見は、成長円錐のCa依存性の活動性にゲルゾリンおよびアクトミオシン系収縮要素が関与していることを示している。また、培養アストロサイトがアクチンフィラメントを豊富に含む活発に運動する基質接着構造を形成することを明らかにした。この接着構造には、ゲルゾリンとアクトミオシン系蛋白質が集積しておりその運動性の物質的基盤となっていることが示唆された。
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