研究課題/領域番号 |
04557126
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小野 輝夫 新潟大学, 医学部, 教授 (00000927)
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研究分担者 |
岡田 正彦 新潟大学, 医学部, 教授 (30018915)
人見 雅浩 新潟大学, 医学部, 助手 (40218730)
榊原 順 新潟大学, 医学部, 助手 (90242403)
藤井 博 新潟大学, 医学部, 助教授 (90165340)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1993年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1992年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 脂肪酸結合蛋白(FABP) / H-FABP / I-15P / I-FABP / 血清マーカー / 心筋梗塞 / L-FABP |
研究概要 |
1.逸脱マーカーとして利用し得る既知及び新FABP分子種の性状検索:既知FABPマーカーとしての有用性を深る基礎研究として、ヒトの心筋型H-FABPに対する抗体を用い免疫組織化学的に、急性心筋虚血1時間後の壊死心筋細胞及び周辺の形態学的に正常な心筋細胞でのH-FABP染色能は著しく減少し、H-FABPが損傷した心筋細胞の良い組織マーカーとなることを確認した。回腸より見出した肝臓型L-FABPと近縁のI-15P蛋白は黄体、副腎でも免疫染色されたがノーザンブロットでは副腎は陰性であった。この他、皮膚に心筋型H-FABPと近縁の新しいタイプのFABPが同定された。従って逸脱マーカーとして肝型、心筋型、腸型、脂肪細胞型、回腸型、シュワン細胞型、皮膚型の利用が示唆された。 2.逸脱マーカーとしての応用:ヒト心筋型H-FABPに対するモノクロナル抗体、並びにポリクロナル抗体を作成しサンドイッチ法による血清H-FABPのラジオイムウノアッセイ法を確立し、心筋梗塞患者のアンギオプラスティー(AP)施行後の血清について、逸脱マーカーとしての有用性を検討した。本法での健常成人血清の測定値は7.16±1.13ng/mlであった。発作後1.5時間内にAPを施行した心筋梗塞患者9例中4例の血清は何れも正常範囲を示した。一方、発作後1.5時間以上を経過した症例では血清H-FABPは著しく増加したが、血清のクレアチニンキナーゼ(CK-MB)やクレアチニン燐酸キナーゼ(CKP)の変動より早く6時間以内にはマキシマムに達した。H-FABPはAP処理後尿にもいち早く検出されたが、CK-MB、CKPは検出されなかった。これらの結果はH-FABPが心筋梗塞発作の検出よりはむしろAP施行による血行再建に対する生化学的マーカーとして有用であることを示唆している。
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