研究分担者 |
吉村 佳典 徳山曹達(株), つくば研究所, 主任研究員
塚田 裕 (株)SRL, 研究部, 部長
牧野 和彦 岐阜大学, 医学部, 助手 (80181618)
清島 満 岐阜大学, 医学部, 助手 (10171315)
安部 彰 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (30175898)
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研究概要 |
我が国のみならず,世界的に従来から用いられている血清Lp(a)測定法はELISA法が主流であるが,この方法は感度などの点ではきわめて勝れているが,操作が繁雑であり,大量検体の処理には適していない。そこで,我々は免疫比濁法の開発を試み,その中でも単純な免疫比濁法(TIA)とラテックス免疫凝集比濁法(LIA)について詳細な検討を行い,最終的に感度の点より後者を最適な簡易的方法として選んだ。これらの免疫比濁法で最も問題になるのはアポ(a)イソ型の存在である。すなわち,凝集塊の大きさはアポ(a)分子の大小に影響される可能性があり,この点を中心として検討したが,今回のLIA法では全てのイソ型にほゞ同等に作用するものと考えられるデータが得られ,またこの方法を自動分析装置への応用も試み,良好な結果が得られた。 一方,アポ(a)イソ型分画法としては,モノクローナル抗体や電気泳動担体など種々検討したが,格別良好な方法は見当らず,従来から用いてきたSDS-4%ポリアクリルアミドゲルによる泳動条件などを種々検討し,従来よりは良好な泳動像が得られるようになった。この各バンドの判定は熟練者によるものが必要であったが,我々はより客観性をもたせるためにコンピューターに接続したノギスを使用することによって,そのRf値から自動的に表現型分類を行うことを検討し,きわめて良好な結果を得ることができた。 しかし,上記の表現型分類には限界があり,最近は血液単核球からge-nomic DNAを抽出し,制限酵素KpnIで分解して生じた分画をパルスフィールド電気泳動によって分離・分画し,その後cDNAのクローンのλabに由来するプローブを用いて検出する遺伝型分類を試みつゝあり,この遺伝型分類と上記の表現型分類との互換性や動脈硬化性疾患におけるLp(a)遺伝型頻度分布などについて現在検討中である。
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